専門看護師・認定看護師の役割に対する看護師のニーズ~高度先進医療を提供する大学病院 (一施設) における質問紙調査

本研究の目的は, 高度先進医療を提供する病院における専門看護師・認定看護師に対する看護師のニーズを把握し, 専門看護師・認定看護師の活動の方向性を検討することである. 高度先進医療を提供する大学病院1施設の看護師に自作の質問紙調査を行い, 297人から有効回答を得た. その結果, 以下が明らかとなった. 平成19年4月から平成20年1月までに145人(48.8%)の看護師が, 専門看護師/認定看護師に271件の相談を行っており, 皮膚・排泄ケア認定看護師と, がん看護に関わる専門看護師・認定看護師に対する相談が多かった. 看護師が専門看護師・認定看護師に依頼・相談したい内容は, 身体的・心理的...

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Veröffentlicht in:千葉看護学会会誌 2009-06, Vol.15 (1), p.43-50
Hauptverfasser: 奥朋子, 中村伸枝, 大野朋加, 阿部恭子, 神津三佳, 藤澤陽子, 石橋みゆき, 菅原聡美, 光多恵子, 松本ゆり子, 千葉均, 森かずえ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, 高度先進医療を提供する病院における専門看護師・認定看護師に対する看護師のニーズを把握し, 専門看護師・認定看護師の活動の方向性を検討することである. 高度先進医療を提供する大学病院1施設の看護師に自作の質問紙調査を行い, 297人から有効回答を得た. その結果, 以下が明らかとなった. 平成19年4月から平成20年1月までに145人(48.8%)の看護師が, 専門看護師/認定看護師に271件の相談を行っており, 皮膚・排泄ケア認定看護師と, がん看護に関わる専門看護師・認定看護師に対する相談が多かった. 看護師が専門看護師・認定看護師に依頼・相談したい内容は, 身体的・心理的苦痛の軽減, 終末期ケアなどの「患者・家族ケア」が最も多く, 続いて, 最新知識の習得などの「医療者を対象とした勉強会の開催」であった. 看護師は, 高度先進医療を提供する大学病院の特徴を反映した, 部署内では解決できない問題を数多く認識していたが, 38.7%の看護師が「誰にどのように相談してよいか分からない」, 37.4%が「相談してよいかどうかわからない」と回答した. 以上より, 専門看護師/認定看護師は, 相談の依頼を待つだけでなく, 様々な機会を利用して, 現場でのニーズを敏感に捉える, ニーズに合わせた学習を提供する, 複雑で多種多様な問題に的確に対応できるよう専門看護師・認定看護師同士が連携を図る, 専門看護師・認定看護師にアクセスしやすい体制を整える, 自らが役立てると思う場面に積極的に加わり多職種と連携して問題解決にあたる重要性が示された.
ISSN:1344-8846