当院で経験した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 患者の特徴と中和抗体価についての検討

「要旨」 2021年1月から2022年6月の間に当院で経験した新型コロナウイルス感染症の特徴について後ろ向きに調査した. 新型コロナウイルス感染症に罹患した透析患者群と非透析患者群を比較した結果, (1)両群共に男性症例が多い傾向がみられた. (2)透析患者群のほうが重症化率は高い傾向がみられた. (3)ワクチン接種や治療方法の多様化が進んだ第5波以降は両群共に重症化率及び, 死亡率が低下した. クラスターにおいて, 濃厚接触者となってから発症した患者と発症しなかった患者とを比較した結果, 発症した群のほうがやせ型で, 看護必要度が高く, 血清Alb値が低く, CRP値が高かった. 職員のワク...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2023-03, Vol.19 (2), p.82-93
Hauptverfasser: 甘利佳史, 森本聡, 寺西敬, 本池悠, 小林一史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 2021年1月から2022年6月の間に当院で経験した新型コロナウイルス感染症の特徴について後ろ向きに調査した. 新型コロナウイルス感染症に罹患した透析患者群と非透析患者群を比較した結果, (1)両群共に男性症例が多い傾向がみられた. (2)透析患者群のほうが重症化率は高い傾向がみられた. (3)ワクチン接種や治療方法の多様化が進んだ第5波以降は両群共に重症化率及び, 死亡率が低下した. クラスターにおいて, 濃厚接触者となってから発症した患者と発症しなかった患者とを比較した結果, 発症した群のほうがやせ型で, 看護必要度が高く, 血清Alb値が低く, CRP値が高かった. 職員のワクチン抗体価に関して, 隔離病棟での勤務歴があるものと, そうでないものの2群間で有意差は認めなかった. 抗体価は環境因子(コロナウイルス陽性患者との関わりの有無)の影響を受けておらず, 当院における隔離病棟での感染対策は適切に行われていると考えられた.
ISSN:2185-8136