潰瘍性大腸炎の増悪を契機にインスリン分泌能が低下し糖尿病を新規発症した1例

潰瘍性大腸炎(UC)と糖尿病の関連は疫学的に示唆されているが,その病態は不明である。 症例は4年前よりUCと診断されメサラジンを内服している66歳女性。1ヶ月前より腹痛と 粘血便が出現したためメサラジンを増量されたがステロイドは使用されなかった。口渇感と急 激な体重減少を認めたため血液検査を実施したところ,血糖値639mg/dL,HbA1c10.0%で あり,糖尿病の新規発症と診断した。ケトーシスはなく膵島関連自己抗体は全て陰性だった が,糖毒性解除後も内因性インスリン分泌能が高度に低下しておりインスリン治療の継続が必要だった。UCの活動性が低下した4ヶ月後にはインスリン分泌能が改善し,7ヵ月...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2023/01/31, Vol.19(1), pp.29-33
Hauptverfasser: 高井, 研次, 加藤, 諒, 渡會, 皓介, 横田, 真二, 出口, 有近, 村井, 潤, 松田, 守弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:潰瘍性大腸炎(UC)と糖尿病の関連は疫学的に示唆されているが,その病態は不明である。 症例は4年前よりUCと診断されメサラジンを内服している66歳女性。1ヶ月前より腹痛と 粘血便が出現したためメサラジンを増量されたがステロイドは使用されなかった。口渇感と急 激な体重減少を認めたため血液検査を実施したところ,血糖値639mg/dL,HbA1c10.0%で あり,糖尿病の新規発症と診断した。ケトーシスはなく膵島関連自己抗体は全て陰性だった が,糖毒性解除後も内因性インスリン分泌能が高度に低下しておりインスリン治療の継続が必要だった。UCの活動性が低下した4ヶ月後にはインスリン分泌能が改善し,7ヵ月後にインスリン治療から離脱できた。UCの増悪とインスリン分泌能は関連する可能性があり糖尿病に注意が必要である。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.19.1_29