柴苓湯と桂枝茯苓丸の併用が,再発性膿瘍形成性虫垂炎に対し有効であった 1 例

「はじめに」膿瘍形成や穿孔を伴う複雑性虫垂炎において, 手術の際に虫垂切除だけでなく, 盲腸切除や回盲部切除が必要となる拡大手術移行リスクや他臓器損傷などのリスクを回避するため, 抗菌薬やドレナージで炎症を鎮静化させてから待機的虫垂切除を行うInterval Appendectomy(IA)の有用性が, 近年報告されている. 当院では限局性膿瘍形成性虫垂炎に対し, 基本的な治療戦略としてIAを導入している. しかしIAには手術待機期間中の再発が大きな問題点として挙がり, 予防的対応については十分な検討はなされていないのが現状である. 本症例では, 同一症例において同程度の膿瘍形成を伴う虫垂炎が...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2022/07/31, Vol.18(4), pp.290-291
Hauptverfasser: 髙地, 良介, 田中, 耕一郎, 三浦, 康之, 皆川, 輝彦, 本田, 善子, 千葉, 浩輝, 奈良, 和彦, 島田, 英昭, 船橋, 公彦, 瓜田, 純久, 島田, 長人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」膿瘍形成や穿孔を伴う複雑性虫垂炎において, 手術の際に虫垂切除だけでなく, 盲腸切除や回盲部切除が必要となる拡大手術移行リスクや他臓器損傷などのリスクを回避するため, 抗菌薬やドレナージで炎症を鎮静化させてから待機的虫垂切除を行うInterval Appendectomy(IA)の有用性が, 近年報告されている. 当院では限局性膿瘍形成性虫垂炎に対し, 基本的な治療戦略としてIAを導入している. しかしIAには手術待機期間中の再発が大きな問題点として挙がり, 予防的対応については十分な検討はなされていないのが現状である. 本症例では, 同一症例において同程度の膿瘍形成を伴う虫垂炎が短期間に再発し, IAの施行が困難と思われたが, 漢方薬2剤を急性期に併用することで, 初発時に比べ治療期間は短く, 以後の再発も認めなかったため, 文献的考察を加え報告する. 「症例」既往のない20才代男性.
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.18.4_290