Bacillus Calmette-Guèrin(BCG)膀胱注入療法後に発症した肉芽腫性肝炎を伴う播種性BCG感染症の 1 例
症例は 70 歳台男性。膀胱癌再発に対して,Bacillus Calmette-Guèrin(BCG)膀胱内注入療法後に,持続する発熱と肝機能異常が出現した。血液培養検査も陰性であり,超音波検査やCTでも肝腫大を認めるのみで,抗菌薬にも反応は認めなかった。肝臓および骨髄の生検組織より類上皮肉芽腫を検出した。共にZiehl-Neelsen染色で抗酸菌は認めず,PCRでも抗酸菌は陰性であった。BCG膀胱注入療法中の発症であることより,播種性BCG感染症と判断し,リファンピシン(RFP),イソニアジド(INH),エタンブトール(EB)の 3 剤併用療法に加え,レボフロキサシン(LVFX)の投与を行っ...
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Veröffentlicht in: | 日本病院総合診療医学会雑誌 2022/07/31, Vol.18(4), pp.262-267 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は 70 歳台男性。膀胱癌再発に対して,Bacillus Calmette-Guèrin(BCG)膀胱内注入療法後に,持続する発熱と肝機能異常が出現した。血液培養検査も陰性であり,超音波検査やCTでも肝腫大を認めるのみで,抗菌薬にも反応は認めなかった。肝臓および骨髄の生検組織より類上皮肉芽腫を検出した。共にZiehl-Neelsen染色で抗酸菌は認めず,PCRでも抗酸菌は陰性であった。BCG膀胱注入療法中の発症であることより,播種性BCG感染症と判断し,リファンピシン(RFP),イソニアジド(INH),エタンブトール(EB)の 3 剤併用療法に加え,レボフロキサシン(LVFX)の投与を行った。約 1 か月の経過で症状や肝機能異常は改善したため,LVFXを中止し,3 剤併用療法を 3 か月間継続し治療を終了した。治療終了後も再燃は認めていない。BCG注入療法後に発熱,肝障害を認めた際には,播種性BCG感染症を疑い,肝生検,骨髄生検を行うことが有用と考えられた。 |
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ISSN: | 2185-8136 2758-7878 |
DOI: | 10.60227/jhgmwabun.18.4_262 |