メサラジンによる薬剤誘発性血管炎の合併が疑われた潰瘍性大腸炎の 1 例

症例は 47 歳の女性。8 年前より当院外科で潰瘍性大腸炎と診断され,メサラジン内服で寛解維持していたが,入院 4 日前からの発熱を主訴に来院した。皮膚に圧痛を伴う紅斑が出現し,病理組織検査でフィブリノイド変性を伴う血管炎の所見を認めた。抗好中球細胞質抗体のうち,プロテイナーゼ 3 抗好中球細胞質抗体陽性が判明し,抗好中球細胞質抗体関連血管炎と考えステロイドパルス,静注シクロホスファミドパルスを施行したが再燃を繰り返した。メサラジンによる薬剤誘発性血管炎を疑い中止したところ解熱し,4 週間で紅斑も完全に消褪した。抗好中球細胞質抗体関連血管炎としては典型的な経過をとらず,免疫抑制療法に反応不良な...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2022/01/31, Vol.18(1), pp.8-14
Hauptverfasser: 栗原, 夕子, 高松, 正視, 安西, 秀美, 定平, 健, 鈴木, 貴博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は 47 歳の女性。8 年前より当院外科で潰瘍性大腸炎と診断され,メサラジン内服で寛解維持していたが,入院 4 日前からの発熱を主訴に来院した。皮膚に圧痛を伴う紅斑が出現し,病理組織検査でフィブリノイド変性を伴う血管炎の所見を認めた。抗好中球細胞質抗体のうち,プロテイナーゼ 3 抗好中球細胞質抗体陽性が判明し,抗好中球細胞質抗体関連血管炎と考えステロイドパルス,静注シクロホスファミドパルスを施行したが再燃を繰り返した。メサラジンによる薬剤誘発性血管炎を疑い中止したところ解熱し,4 週間で紅斑も完全に消褪した。抗好中球細胞質抗体関連血管炎としては典型的な経過をとらず,免疫抑制療法に反応不良な場合には,薬剤誘発性血管炎の可能性も念頭に置く必要があると考えられた。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.18.1_8