胃癌肝転移切除13年目に癌性髄膜炎を来した 1 例
症例は 73 歳男性。14 年前に胃癌に対して幽門側胃切除術,13 年前に肝転移に対して肝部分切除術を実施した。術後順調な経過であったが,1 年前の 12 月に左頚部,左鎖骨上窩のリンパ節腫脹を認めた。精査の結果,胃癌再発として翌 5 月から抗がん剤治療を開始した。8 月に入り四肢の痺れなどを認め,頭部CTやMRIなど各種検査を実施したが原因を特定できなかった。9 月に入り歩行困難や意識障害もみられたため,当科へ紹介され腰椎穿刺で癌性髄膜炎の診断に至ったが,2 週間後に永眠された。癌性髄膜炎の発症は稀であるが,発症するとQOLの低下は著しく予後不良である。早期の診断で予後の改善や症状緩和が得ら...
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Veröffentlicht in: | 日本病院総合診療医学会雑誌 2021/09/30, Vol.17(5), pp.540-545 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は 73 歳男性。14 年前に胃癌に対して幽門側胃切除術,13 年前に肝転移に対して肝部分切除術を実施した。術後順調な経過であったが,1 年前の 12 月に左頚部,左鎖骨上窩のリンパ節腫脹を認めた。精査の結果,胃癌再発として翌 5 月から抗がん剤治療を開始した。8 月に入り四肢の痺れなどを認め,頭部CTやMRIなど各種検査を実施したが原因を特定できなかった。9 月に入り歩行困難や意識障害もみられたため,当科へ紹介され腰椎穿刺で癌性髄膜炎の診断に至ったが,2 週間後に永眠された。癌性髄膜炎の発症は稀であるが,発症するとQOLの低下は著しく予後不良である。早期の診断で予後の改善や症状緩和が得られた報告もあり,癌の経過中には癌性髄膜炎を来たす可能性を常に念頭に置きその病態を疑うことが重要であると思われる。画像検査で異常が認められない時も,違和感がある場合は診断を確定する努力を怠らない態度は大切である。 |
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ISSN: | 2185-8136 2758-7878 |
DOI: | 10.60227/jhgmwabun.17.5_540 |