歯性感染症による悪寒戦慄と発熱を来した 2 症例

歯性感染症が原因と思われる悪寒戦慄,発熱症状を来した 2 症例を経験したため報告する。〔症例 1 ,68 歳,男性〕悪寒戦慄があり救急搬送された。血液検査所見では炎症反応の亢進以外異常所見を指摘できなかった。第 5 病日,左上顎部に違和感を訴え,CTで根尖性歯周組織炎を疑う所見が得られた。〔症例 2 ,82 歳,女性〕発熱,意識消失を来し救急搬送された。当初,感染巣は指摘できなかったが,第 4 病日に左下顎の違和感・鈍痛を訴えた。CTとMRIで下顎骨骨髄炎を疑う所見が得られた。〔考察〕2 例とも抗菌薬使用で速やかに改善した。歯科治療後の感染は自覚症状に乏しいことがあり,処置後数年を経ていたとし...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2019/11/30, Vol.15(6), pp.512-515
1. Verfasser: 入江, 康仁
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯性感染症が原因と思われる悪寒戦慄,発熱症状を来した 2 症例を経験したため報告する。〔症例 1 ,68 歳,男性〕悪寒戦慄があり救急搬送された。血液検査所見では炎症反応の亢進以外異常所見を指摘できなかった。第 5 病日,左上顎部に違和感を訴え,CTで根尖性歯周組織炎を疑う所見が得られた。〔症例 2 ,82 歳,女性〕発熱,意識消失を来し救急搬送された。当初,感染巣は指摘できなかったが,第 4 病日に左下顎の違和感・鈍痛を訴えた。CTとMRIで下顎骨骨髄炎を疑う所見が得られた。〔考察〕2 例とも抗菌薬使用で速やかに改善した。歯科治療後の感染は自覚症状に乏しいことがあり,処置後数年を経ていたとしてもリスクになりえるという認識が必要である。そのため口腔外科領域の感染巣のスクリーニングにCT・MRIを行うことは有用である。〔結語〕歯性感染症が敗血症の原因となりえることの認識を高め,症状が顕著でなくても積極的に精査する対象とすべきである。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.15.6_512