Waterhouse-Friderichsen症候群を発症したG群溶連菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の 1 例
症例は 71 歳の男性。明らかな誘因なく腰痛と腹痛が出現し,近医にて血小板低値を指摘され,当科へ紹介となった。来院時不穏状態を認め,高熱,頻脈,頻呼吸を呈していた。四肢や体幹部に紫斑を呈し,両側下肢にチアノーゼを認めた。敗血症による播種性血管内凝固症候群が疑われ,ICUにて加療を開始した。入院約 6 時間後に血液培養 2 セットからグラム陽性球菌が陽性となった。入院約 8 時間後に血圧が低下し,昇圧剤投与を開始するも改善が得られず,入院約 28 時間後に死亡となった。病理解剖にて両側副腎皮質に出血を伴う急性壊死を認め,G群溶連菌感染症により発症したWaterhouse-Friderichsen...
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Veröffentlicht in: | 日本病院総合診療医学会雑誌 2019/07/31, Vol.15(4), pp.374-379 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は 71 歳の男性。明らかな誘因なく腰痛と腹痛が出現し,近医にて血小板低値を指摘され,当科へ紹介となった。来院時不穏状態を認め,高熱,頻脈,頻呼吸を呈していた。四肢や体幹部に紫斑を呈し,両側下肢にチアノーゼを認めた。敗血症による播種性血管内凝固症候群が疑われ,ICUにて加療を開始した。入院約 6 時間後に血液培養 2 セットからグラム陽性球菌が陽性となった。入院約 8 時間後に血圧が低下し,昇圧剤投与を開始するも改善が得られず,入院約 28 時間後に死亡となった。病理解剖にて両側副腎皮質に出血を伴う急性壊死を認め,G群溶連菌感染症により発症したWaterhouse-Friderichsen症候群と診断した。経過が急速な重症感染症において,昇圧剤での効果が不十分な場合は,副腎皮質出血壊死による急性副腎不全の併存を考慮し精査ならびに加療を行う必要があると思われた。 |
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ISSN: | 2185-8136 2758-7878 |
DOI: | 10.60227/jhgmwabun.15.4_374 |