病院総合診療医の視点から考えた嘱託産業医の業務

産業医を必要としながら選任している事業場は 87 %にすぎない。健康確保関連法は毎年改正されており,ストレスチエック制度への対応を含め産業医の職務範囲は広がりつつある。予防が難しい腰痛は運動療法,メタボリック症候群と肝機能障害は専門医に紹介するタイミングが重要である。高血圧は閉塞性睡眠時無呼吸症候群を除外する。法定項目の心電図は所見より問診が専門医紹介の起点となる。がん検診は法定項目ではない。病院産業医は多様な職務が求められるため実務経験が蓄積できる。事業者へ意見書や主治医への問い合わせは定型の書式を活用する。産業医と病院勤務医の業務について対比を試みた。契約時の注意点や生涯学習の例について紹...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2018/05/31, Vol.14(3), pp.242-248
1. Verfasser: 吉澤, 篤人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:産業医を必要としながら選任している事業場は 87 %にすぎない。健康確保関連法は毎年改正されており,ストレスチエック制度への対応を含め産業医の職務範囲は広がりつつある。予防が難しい腰痛は運動療法,メタボリック症候群と肝機能障害は専門医に紹介するタイミングが重要である。高血圧は閉塞性睡眠時無呼吸症候群を除外する。法定項目の心電図は所見より問診が専門医紹介の起点となる。がん検診は法定項目ではない。病院産業医は多様な職務が求められるため実務経験が蓄積できる。事業者へ意見書や主治医への問い合わせは定型の書式を活用する。産業医と病院勤務医の業務について対比を試みた。契約時の注意点や生涯学習の例について紹介した。病院に勤務し,各科横断的な診療と専門外領域の学習,身体診察,専門医への紹介が求められる「病院総合診療医」は嘱託産業医として適任であり,病院総合診療医学会は産業医の貴重な人材供給源と考える。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.14.3_242