後縦靭帯骨化を伴う頸髄損傷に対する前側方部分椎体削開術の有用性

後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament;OPLL)を伴う骨傷のない頸髄損傷 2 例(症例 1;64 歳男性,症例 2;58 歳男性)に対し,損傷後早期に前側方部分椎体削開術(antero-lateral partial vertebrectomy;ALPV)を用いてOPLLを切除し,生理的頸膨大の復元を計った。術前いずれの症例もFrankelらの重症度分類C(損傷レベル以下の筋に実用性)と評価された。症例 1 は損傷後 3 日でALPVを施行。骨化巣浮上法で減圧されたが,四肢麻痺は変わらず頸膨大は復元せず,誤嚥性肺...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2018/05/31, Vol.14(3), pp.218-222
Hauptverfasser: 門間, 文行, 赤羽, 祥太, 山本, 孝太, 大隅, 悦子, 伴, 誠之, 関根, 正浩, 関井, 浩義, 渡邉, 裕志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:後縦靭帯骨化症(ossification of the posterior longitudinal ligament;OPLL)を伴う骨傷のない頸髄損傷 2 例(症例 1;64 歳男性,症例 2;58 歳男性)に対し,損傷後早期に前側方部分椎体削開術(antero-lateral partial vertebrectomy;ALPV)を用いてOPLLを切除し,生理的頸膨大の復元を計った。術前いずれの症例もFrankelらの重症度分類C(損傷レベル以下の筋に実用性)と評価された。症例 1 は損傷後 3 日でALPVを施行。骨化巣浮上法で減圧されたが,四肢麻痺は変わらず頸膨大は復元せず,誤嚥性肺炎を繰り返し,在宅療養中に呼吸器回路の不具合から心肺停止となり,術後 21 か月で死亡した。症例 2 は損傷後 1 日以内に減圧され,術翌日下肢筋力が両側ともmanual muscle testで 0 から 2/5 に改善,術後 1 か月で前弯を為す頸膨大が復元した。術後 9 か月で立位保持が可能となり,排尿・排便が自立した。OPLLを伴う頸髄損傷には,ALPVによる早期減圧が役立ち,頸膨大が復元すれば脊髄機能および患者の転帰が改善される可能性がある。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.14.3_218