精神科病院における病院総合診療医の役割

精神科病院の病床数は 25 万床あるが,常勤医師数は一般病院と比較して著しく少ない。新規入院患者の 88 %が 1 年未満で退院しているものの,1 年以上入院している患者も 20 万人おり,高齢化も進んでいるため身体合併症をもつ入院患者は増加している。新規入院患者はメタボリック症候群,長期入院患者は低体重を評価する必要がある。院内で診断と治療が求められる病態として便秘,心電図異常,内分泌障害,過量服薬などがある。転倒による裂傷,敗血症,肺炎は初療後,専門医療機関への転送判断が求められる。院内感染対策は患者側と施設側の要因により特殊である。インフルエンザ防止対策として利用しているフェーズ管理の例...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2017/11/30, Vol.13(3), pp.48-54
1. Verfasser: 吉澤, 篤人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:精神科病院の病床数は 25 万床あるが,常勤医師数は一般病院と比較して著しく少ない。新規入院患者の 88 %が 1 年未満で退院しているものの,1 年以上入院している患者も 20 万人おり,高齢化も進んでいるため身体合併症をもつ入院患者は増加している。新規入院患者はメタボリック症候群,長期入院患者は低体重を評価する必要がある。院内で診断と治療が求められる病態として便秘,心電図異常,内分泌障害,過量服薬などがある。転倒による裂傷,敗血症,肺炎は初療後,専門医療機関への転送判断が求められる。院内感染対策は患者側と施設側の要因により特殊である。インフルエンザ防止対策として利用しているフェーズ管理の例を提示する。喫煙歴のある統合失調症が長期入院したままCOPDと診断されずに低栄養状態に陥り肺炎で死亡する可能性があるため,多職種連携による栄養療法が必要である。精神科病院は,病院総合診療医が求められる大きな領域である。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.13.3_48