胃捻転の 3 例

胃捻転は稀な疾患であるが,血流障害を介して胃の壊死や穿孔を来し,致命的な病態となりうる。著者らの 3 例の経験から,①急性に腹痛・腹部膨満,嘔吐を呈し,胃の拡張を伴う場合は,胃捻転を鑑別に挙げ,CTで精査を行う必要があること,②症状の軽い食道裂孔ヘルニアであっても胃捻転のリスクを抱えており,注意深く経過を観察し,必要に応じて待機的な手術を考慮すること,の 2 点が重要と考えられた。症例 1 では胃の拡張が指摘されながら精査されず,状態が悪化して再受診後に緊急手術となった。症例 2 は内視鏡的に捻転解除に成功した症例である。症例 3 は高度の食道裂孔ヘルニアに伴う胃捻転で,いわゆる upside...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2017/09/30, Vol.13(2), pp.1-7
Hauptverfasser: 高橋, 雄介, 長谷川, 修, 鈴木, 義夫, 長谷川, 行健, 真壁, 武一, 高山, 研一, 石原, 健司, 皆川, 輝彦, 松本, 悠, 加賀美, 星子, 石川, 詩織, 井原, 健太郎, 秋山, 佳亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胃捻転は稀な疾患であるが,血流障害を介して胃の壊死や穿孔を来し,致命的な病態となりうる。著者らの 3 例の経験から,①急性に腹痛・腹部膨満,嘔吐を呈し,胃の拡張を伴う場合は,胃捻転を鑑別に挙げ,CTで精査を行う必要があること,②症状の軽い食道裂孔ヘルニアであっても胃捻転のリスクを抱えており,注意深く経過を観察し,必要に応じて待機的な手術を考慮すること,の 2 点が重要と考えられた。症例 1 では胃の拡張が指摘されながら精査されず,状態が悪化して再受診後に緊急手術となった。症例 2 は内視鏡的に捻転解除に成功した症例である。症例 3 は高度の食道裂孔ヘルニアに伴う胃捻転で,いわゆる upside down stomachという状態であった。慢性状態の経過中,突然の胸痛と発熱が出現し,絞扼による胃穿孔が疑われて緊急手術となった。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.13.2_1