脳室心房シャント部分入れ替え術により治癒したPropionibacterium acnesによるシャント腎炎の1例

「要旨」症例は先天性水頭症のため脳室心房シャントを有する32歳男性. 発熱と下肢浮腫を主訴に来院した. 3年前のシャント入れ替え術後より断続的に発熱が出現するようになり, 抗菌薬治療を受けた既往がある. 3ケ月前より発熱と下肢浮腫が出現し, 精査加療目的に当科に紹介され入院となった. 低アルブミン血症と高度の尿蛋白を認め, 浮腫の原因はネフローゼ症候群と診断した. ネフローゼ症候群の原因として, 慢性シャント感染に伴うシャント腎炎を疑った. 血液培養でPropionibacterium acnesを検出し, ペニシリンGで治療を開始した. 解熱したが下肢浮腫は改善しないためシャント部分入れ替え...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2015-10, Vol.9 (1), p.30-33
Hauptverfasser: 朝長元輔, 徳富潤, 倉田毅, 藤原元嗣, 内藤優香, 多胡雅毅, 相原秀俊, 大串昭彦, 百武正樹, 京樂格, 山下秀一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」症例は先天性水頭症のため脳室心房シャントを有する32歳男性. 発熱と下肢浮腫を主訴に来院した. 3年前のシャント入れ替え術後より断続的に発熱が出現するようになり, 抗菌薬治療を受けた既往がある. 3ケ月前より発熱と下肢浮腫が出現し, 精査加療目的に当科に紹介され入院となった. 低アルブミン血症と高度の尿蛋白を認め, 浮腫の原因はネフローゼ症候群と診断した. ネフローゼ症候群の原因として, 慢性シャント感染に伴うシャント腎炎を疑った. 血液培養でPropionibacterium acnesを検出し, ペニシリンGで治療を開始した. 解熱したが下肢浮腫は改善しないためシャント部分入れ替え術を施行した. シャント内髄液よりPropionibacterium acnesが検出され, シャント感染が証明された. シャント抜去後より下肢浮腫は改善し, 血清アルブミン値も上昇した. 退院1年後の現在も発熱やネフローゼ症候群の再燃を認めていない.
ISSN:2185-8136