石灰沈着性頚長筋炎 〜症例報告と本邦報告例の文献的考察

30 歳代男性。頚部痛のため,当院総合診療部に紹介受診となった。頚部単純CT画像にてC2 前方に石灰化をみとめ,同部位の頚部USにて音響陰影を伴う高輝度領域を認めた。MR画像では,C2 レベル椎体前方にT1 強調低信号,T2 強調高信号の領域を認めた。石灰沈着性頚長筋炎と診断し,消炎鎮痛薬内服の外来治療で 1 週後には症状消失した。本邦 77 例の検討では,30 歳代に多く性差はなかった。総合診療医からの報告は,本例が 2 例目であった。受診までの日数は 3.3 士 3.6 日であり,体温は 37.4 士0.5 度,白血球数 10,545 士 2,616/uL,好中球 73.6 士 7.7 %...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2015/06/30, Vol.8(2), pp.14-18
Hauptverfasser: 阪上, 順一, 十亀, 義生, 入江, 仁, 西川, 太一朗, 横関, 恵美, 浅野, 麻衣, 白山, 武司, 岡山, 哲也, 松原, 慎, 大薮, 知香子, 辻, 有希子, 内山, 和彦, 田中, 武兵, 嶋本, 貴之, 滋賀, 健介, 鎌田, 和浩, 松本, しのぶ, 水谷, 信介, 山脇, 正永, 能登, 祐一, 伊藤, 義人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:30 歳代男性。頚部痛のため,当院総合診療部に紹介受診となった。頚部単純CT画像にてC2 前方に石灰化をみとめ,同部位の頚部USにて音響陰影を伴う高輝度領域を認めた。MR画像では,C2 レベル椎体前方にT1 強調低信号,T2 強調高信号の領域を認めた。石灰沈着性頚長筋炎と診断し,消炎鎮痛薬内服の外来治療で 1 週後には症状消失した。本邦 77 例の検討では,30 歳代に多く性差はなかった。総合診療医からの報告は,本例が 2 例目であった。受診までの日数は 3.3 士 3.6 日であり,体温は 37.4 士0.5 度,白血球数 10,545 士 2,616/uL,好中球 73.6 士 7.7 %, CRP 4..1 士 3.6 mg/dLであった。 86 %が入院しており,初期診断を咽後膿瘍としたものが 19 例と最多であった。治療方法と入院日数の関係は消炎鎮痛薬・抗菌薬・ステロイド薬と入院日数の関係では有意項目なく,頸椎カラー装着症例は入院期間が有意に長かった(P= 0.0042 )。咽後膿瘍や化膿性脊椎炎と鑑別すべき病態である石灰沈着性頚長筋炎は総合診療医が知っておくべき疾患である。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.8.2_14