糖尿病患者の短趾伸筋萎縮は女性に強い

日本人は畳上に正座する習慣があるため,足背部で腓骨神経の圧迫性障害を生じやすいとの都市伝説がある。正座習慣は,とくに中年以降の女性に多くみられる。また,腓骨神経伝導検査における複合筋活動電位(compound muscle action potential ; CMAP)の記録は,通常短趾伸筋から行われる。この都市伝説を検証するために,男性1,251 名・女性 858 名の糖尿病患者で,各神経刺激により測定したCMAP振幅を比較した。対象の年齢は男性がやや低かったが,神経伝導速度指標や感覚神経活動電位振幅指標からは,男性の神経障害が女性よりやや重いと考えられた。各CMAP振幅は,正中神経(短母...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2014/06/30, Vol.6(2), pp.72-74
Hauptverfasser: 長谷川, 修, 奈良, 典子, 太組, 由貴, 岩田, 史歩孑, 林田, 仁至
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本人は畳上に正座する習慣があるため,足背部で腓骨神経の圧迫性障害を生じやすいとの都市伝説がある。正座習慣は,とくに中年以降の女性に多くみられる。また,腓骨神経伝導検査における複合筋活動電位(compound muscle action potential ; CMAP)の記録は,通常短趾伸筋から行われる。この都市伝説を検証するために,男性1,251 名・女性 858 名の糖尿病患者で,各神経刺激により測定したCMAP振幅を比較した。対象の年齢は男性がやや低かったが,神経伝導速度指標や感覚神経活動電位振幅指標からは,男性の神経障害が女性よりやや重いと考えられた。各CMAP振幅は,正中神経(短母指外転筋)と腓骨神経(短趾伸筋))で女性が有意に低かった。手の小さい女性で手根管症候群が多いことはよく知られている。腓骨神経でも女性のCMAPが小さかったことは,女性で局所性腓骨神経障害が起きやすく,これが正座習慣と関係している可能性が示唆された。
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.6.2_72