ビタミンB12欠乏性貧血は同剤経口投与によりすみやかに改善する

「要旨」ビタミンB12の吸収障害により生じる貧血に対して, 本邦では同剤の非経口投与が主流となっている. しかし, 患者負担の軽さや簡便さの点から, 実地臨床では経口投与が望ましい. 当科でビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血と診断した65歳から86歳の5名を対象に, メコバラミン1,500μg/日の経口投与を行い, その後の経過を観察した. 初診時の平均血中ヘモグロビン濃度は7.5g/dL, MCVは143.1fLであった. 約1ヵ月間のメコバラミン内服後に血中ヘモグロビン濃度は平均で3.5g/dL上昇し, MCVは104.0fLに低下した. 血小板および総ビリルビンは全例で正常化し, L...

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Veröffentlicht in:日本病院総合診療医学会雑誌 2013/12/31, Vol.5(2), pp.69-71
Hauptverfasser: 奈良, 典子, 長谷川, 修, 太組, 由貴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」ビタミンB12の吸収障害により生じる貧血に対して, 本邦では同剤の非経口投与が主流となっている. しかし, 患者負担の軽さや簡便さの点から, 実地臨床では経口投与が望ましい. 当科でビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血と診断した65歳から86歳の5名を対象に, メコバラミン1,500μg/日の経口投与を行い, その後の経過を観察した. 初診時の平均血中ヘモグロビン濃度は7.5g/dL, MCVは143.1fLであった. 約1ヵ月間のメコバラミン内服後に血中ヘモグロビン濃度は平均で3.5g/dL上昇し, MCVは104.0fLに低下した. 血小板および総ビリルビンは全例で正常化し, LDHも正常域に近づいた. 経過中1名で鉄欠乏状態を呈した. 内因子欠乏者には, 経口で1日約300μgのビタミンB12補充が必要であると計算されるが, 実際の経口投与での維持量に関してはさらなる検討が必要である.
ISSN:2185-8136
2758-7878
DOI:10.60227/jhgmwabun.5.2_69