地域子育て支援拠点を利用している母親の子育ての実態と育児ストレスの関連

「要旨」本調査の目的は, 地域子育て支援拠点を利用する母親の子育ての実態を明らかにし, 育児ストレスとの関連をみることにより, 今後の子育て支援の検討の一助とすることである. A市内の地域子育て支援拠点を利用している子育て中の母親469名を対象に, 自記式質問紙調査を実施した. 調査内容は, 母親の属性, 日頃の子育て, 地域子育て支援拠点の利用状況, 育児ストレスインデックスショートフォーム (PSI-SF) 19項目などだった. 分析は記述統計と, 母親の属性, 日頃の子育ての状況, 地域子育て支援拠点事業の利用状況とPSI-SFの各尺度「子どもの側面」, 「親の側面」の各点数・総合スコアの関連について, Mann- Whitney U検定を行った. 有効回答203名を分析した結果, 対象者の特性として就労している母親が42.9%, 家庭の経済状態にゆとりがないと答えた母親が18.2%いた. この特性はPSI-SFとも有意な関連が認められた. 専業主婦の場合及び家庭の経済状態にゆとりがない群において, PSI-SFスコアの「親の側面」「総合点」が高く, 育児ストレスが高い状況が窺えた. 経済的ゆとりがないと思っている母親の育児不安やニーズをさらに調査して, 子育て支援をしていく必要がある.