「保健物理」に掲載された東京電力福島第一原子力発電所事故関連記事を振り返る - 総論

「I 緒言」(一社)日本保健物理学会の学会誌である「保健物理」誌では東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故以降, 事故に関連した多くの記事を掲載してきた. (一社)日本保健物理学会では, 事故から得られた知見や課題を整理するとともに, 11年が経過した現在から振り返り, 新たな視点から情報を発信していくため, 1F事故関連記事検討ワーキンググループ(WG)を設置した. 同WGでは, 2022年3月までに掲載された1F事故関連の記事を, (i) リスクコミュニケーション, (ii) 環境移行挙動・測定, (iii) 線量測定・評価及び (iv) 被ばく医療・廃棄物の4つの分野に分類して, 知見や課題の整理と情報の発信を進めていくこととなった. 本稿では, これらの(i)～(iv)に含まれない多様な記事を総論として取りまとめ, その概要を整理したものである. 総論に分類された記事は合計で47件あり, その内訳は, (1) 特別記事13件, (2) 原著論文1件, (3) 解説1件, (4) 報告(英文のReportを含む)2件, (5) 話題6件(英文のTopics含む), (6) From Japan to the World(JtoW) 3件, (7) Radiation Protection in the World(RPW) 1件であった.