原子力発電施設等の放射線業務従事者を対象とする低線量放射線による人体への影響に関する疫学的調査, 1991-2010

「I はじめに」本疫学調査は国からの委託を受け, 原子力発電施設等の放射線業務従事者約20.4万人(以下, 従事者)を対象とし, 低線量放射線被ばくによる健康影響, 特にがん死亡への影響についての科学的知見を得ることを目的としている. 調査結果は5年毎に取りまとめ, 公表を行っており, 今回は第5回目の報告となる. 1997年と2003年に一部の従事者に対して実施した生活習慣調査からは, 喫煙などの放射線以外の要因と被ばく線量が関連していることが把握された. このため2007年までの調査を取りまとめた前回第4回目の報告では, 全悪性新生物(白血病を除く)と累積線量との有意な関連が観察されたが,...

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Veröffentlicht in:保健物理 2016, Vol.51(1), pp.12-18
Hauptverfasser: 工藤, 伸一, 石田, 淳一, 吉本, 恵子, 水野, 正一, 大島, 澄男, 古田, 裕繁, 笠置, 文善
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」本疫学調査は国からの委託を受け, 原子力発電施設等の放射線業務従事者約20.4万人(以下, 従事者)を対象とし, 低線量放射線被ばくによる健康影響, 特にがん死亡への影響についての科学的知見を得ることを目的としている. 調査結果は5年毎に取りまとめ, 公表を行っており, 今回は第5回目の報告となる. 1997年と2003年に一部の従事者に対して実施した生活習慣調査からは, 喫煙などの放射線以外の要因と被ばく線量が関連していることが把握された. このため2007年までの調査を取りまとめた前回第4回目の報告では, 全悪性新生物(白血病を除く)と累積線量との有意な関連が観察されたが, その結果を解釈するにあたっては, 生活習慣調査で得られた結果から, この関連は喫煙等の交絡因子が関与している可能性があると結論し, 今後の解析では, 直接的に交絡因子の影響を除外した解析を行って放射線被ばくとがん死亡との関連を示す必要があるとした.
ISSN:0367-6110
1884-7560
DOI:10.5453/jhps.51.12