巻頭言 保健物理学研究の活性化

これまで, 日本保健物理学会の企画委員長や編集委員長として, 学会に少しは貢献できたと自負しています. 2009年3月の大学退職を前に, 最近感じていることを以下に記します. 保健物理学は実学です. ご存じのように, 保健物理学は環境から医療までの広い分野をカバーしているために, 研究対象の分野が違うと, その分野ではどのような研究が主流になっているか理解できないところがあります. これは保健物理学以外の一般の科学研究についても言えます. 研究者も年齢を重ねてくると, 自分が行ってきた研究分野では, もう研究をする種がなくなったのではないかと思いがちです. それは加齢から来る「脳力」の衰えです...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:保健物理 2009, Vol.44 (1), p.7-8
1. Verfasser: 飯田孝夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:これまで, 日本保健物理学会の企画委員長や編集委員長として, 学会に少しは貢献できたと自負しています. 2009年3月の大学退職を前に, 最近感じていることを以下に記します. 保健物理学は実学です. ご存じのように, 保健物理学は環境から医療までの広い分野をカバーしているために, 研究対象の分野が違うと, その分野ではどのような研究が主流になっているか理解できないところがあります. これは保健物理学以外の一般の科学研究についても言えます. 研究者も年齢を重ねてくると, 自分が行ってきた研究分野では, もう研究をする種がなくなったのではないかと思いがちです. それは加齢から来る「脳力」の衰えです. 「老人力」が付いてきたのです. 若い世代がその研究分野に魅力を感じる環境を整えることに失敗しているから, 若い世代がその分野に参画してこないのです. 保健物理学は実学であり, 総合領域・複合領域・境界領域の学問です.
ISSN:0367-6110