ヒスタチンがマトリックスメタロプロテアーゼ9合成に与える影響
「緒言」 口腔内は粘膜組織に覆われており, 口腔内に生じる創傷は皮膚に比較して早期に治癒することが知られている. 創傷治癒は複雑な修復プロセス, 例えば, 炎症に続く新組織の形成, 組織リモデリングなどの一連の段階が含まれる. この複雑な創傷治癒プロセスには, 線維芽細胞によって瘢痕と呼ばれるコラーゲンを主体とする無秩序な細胞外マトリックス(ECM)の形成が含まれる. マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は, 亜鉛依存性エンドペプチダーゼのファミリーであり, 多くの種類のECM成分の分解に関与する. 正常な組織でのMMPの生産と活性は, 例外を除いて, ほぼ検出不可能なレベルで維持されてお...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 奥羽大学歯学誌 2023-12, Vol.50 (3/4), p.173-183 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」 口腔内は粘膜組織に覆われており, 口腔内に生じる創傷は皮膚に比較して早期に治癒することが知られている. 創傷治癒は複雑な修復プロセス, 例えば, 炎症に続く新組織の形成, 組織リモデリングなどの一連の段階が含まれる. この複雑な創傷治癒プロセスには, 線維芽細胞によって瘢痕と呼ばれるコラーゲンを主体とする無秩序な細胞外マトリックス(ECM)の形成が含まれる. マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は, 亜鉛依存性エンドペプチダーゼのファミリーであり, 多くの種類のECM成分の分解に関与する. 正常な組織でのMMPの生産と活性は, 例外を除いて, ほぼ検出不可能なレベルで維持されており, 必要に応じて誘導される. 関節リウマチ, 変形性関節症, アテローム性動脈硬化症, 歯周炎, 自己免疫性水疱症, 皮膚の光老化, 腫瘍浸潤, 腫瘍転移などにおけるECMが過度に分解される病的状態とそれに続く組織形成や組織修復あるいは血管新生などでは, MMPは高発現し中心的な働きをする. |
---|---|
ISSN: | 0916-2313 |