マウスカンジダ症モデルを用いたCandida glabrataの病原性の解析

「緒言」カンジダ血症は, 致死性の高い重篤なカンジダ症である. 死亡率は40%前後となり, その予後も血流感染の中では最も予後が悪いとされる. そのため, 真菌感染症の中でもその発症メカニズムを明らかにして治療と予防に役立たせることが求められている. カンジダ血症患者の年齢層としては, 高齢者が多い. Barchiesi らは302名のカンジダ血症患者の中の188名が高齢者群で, 慢性肺疾患, 心血管疾患, 糖尿病, 慢性腎不全などの基礎疾患を有する者の頻度が高いと報告している. さらに, 発症後30日間の死亡率も高齢者群では45%, 若年者群では28%となり, 高齢者でより重症化しやすい....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:奥羽大学歯学誌 2023-03, Vol.50 (1), p.29-37
Hauptverfasser: 伊波良将, 玉井利代子, 清浦有祐
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」カンジダ血症は, 致死性の高い重篤なカンジダ症である. 死亡率は40%前後となり, その予後も血流感染の中では最も予後が悪いとされる. そのため, 真菌感染症の中でもその発症メカニズムを明らかにして治療と予防に役立たせることが求められている. カンジダ血症患者の年齢層としては, 高齢者が多い. Barchiesi らは302名のカンジダ血症患者の中の188名が高齢者群で, 慢性肺疾患, 心血管疾患, 糖尿病, 慢性腎不全などの基礎疾患を有する者の頻度が高いと報告している. さらに, 発症後30日間の死亡率も高齢者群では45%, 若年者群では28%となり, 高齢者でより重症化しやすい. この基礎疾患に関しては, 小児のカンジダ血症においても心臓奇形や胃腸疾患を有する者が多いとされる. したがって, カンジダ血症の発症には宿主の健康状態が大きく関わり易感染性宿主で起こる頻度が高いと考えられる.
ISSN:0916-2313