銅濃度の異なる金銀パラジウム合金の硬さと耐食性
「緒言」金銀パラジウム合金は顕著な熱処理硬化性を有し, 規則化硬化をもたらす粒内反応と耐食性を低下させる粒界反応 (ノジュール反応) の両方が生じる. 粒内反応は硬化に寄与するAuCu I型PdCu規則相の出現であり, これは相境界が不明瞭な連続析出である. 不規則固溶体α相中に, 結晶構造の整合性を保持しつつ, 結晶構造が異なるAuCu I型PdCu規則相が出現することにより歪が生じ, これにより本系合金を強化することができる. 一方, 粒界反応はCsCl型PdCu規則相 (以下β相と表記) とAg-richα2相 (以下α2と表記) のラメラー構造のノジュールが, 相分離の際に結晶粒界から...
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Veröffentlicht in: | 奥羽大学歯学誌 2015-03, Vol.42 (1/2), p.27-31 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」金銀パラジウム合金は顕著な熱処理硬化性を有し, 規則化硬化をもたらす粒内反応と耐食性を低下させる粒界反応 (ノジュール反応) の両方が生じる. 粒内反応は硬化に寄与するAuCu I型PdCu規則相の出現であり, これは相境界が不明瞭な連続析出である. 不規則固溶体α相中に, 結晶構造の整合性を保持しつつ, 結晶構造が異なるAuCu I型PdCu規則相が出現することにより歪が生じ, これにより本系合金を強化することができる. 一方, 粒界反応はCsCl型PdCu規則相 (以下β相と表記) とAg-richα2相 (以下α2と表記) のラメラー構造のノジュールが, 相分離の際に結晶粒界から結晶粒内へ向けて成長するものである. 本系合金の腐食の主な原因は, このノジュール内で生じるβ相とα2相間での局部電池の形成である. この場合の局部電池はβ相に対してイオン化傾向が卑なα2相が溶出することが知られている. しかしながら, 現実には時効硬化処理が施されずに使用されることが多い. |
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ISSN: | 0916-2313 |