腺性歯原性嚢胞との鑑別を要した含歯性嚢胞の1例

「緒言」腺性歯原性嚢胞は嚢胞上皮組織に腺管形成や粘液細胞の出現をみる希な嚢胞である. 粘液細胞が嚢胞上皮に少数出現することは, 歯原性嚢胞の一つである含歯性嚢胞において時にみいだされる現象である. 今回我々は上顎前歯部に発生した含歯性嚢胞で, 病理組織学的に腺性歯原性嚢胞との鑑別を要した症例を経験したので, その概要を報告する. 「症例」患者 : 16歳, 男子 初診 : 2012年7月 主訴 : 上顎前歯部の腫脹 家族歴および既往歴 : 特記事項なし 現病歴 : 1か月前から上顎左側前歯部の腫脹を自覚していたが, 疼痛がないため様子を見ていたところ, 腫脹の増大傾向を感じたので, 本学附属病...

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Veröffentlicht in:奥羽大学歯学誌 2013-06, Vol.40 (2), p.121-123
Hauptverfasser: 櫻井裕子, 遊佐淳子, 小澤亮, 伊東博司, 赤城陽一郎, 浜田智弘, 菅野勝也, 森蔭由喜, 高田訓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」腺性歯原性嚢胞は嚢胞上皮組織に腺管形成や粘液細胞の出現をみる希な嚢胞である. 粘液細胞が嚢胞上皮に少数出現することは, 歯原性嚢胞の一つである含歯性嚢胞において時にみいだされる現象である. 今回我々は上顎前歯部に発生した含歯性嚢胞で, 病理組織学的に腺性歯原性嚢胞との鑑別を要した症例を経験したので, その概要を報告する. 「症例」患者 : 16歳, 男子 初診 : 2012年7月 主訴 : 上顎前歯部の腫脹 家族歴および既往歴 : 特記事項なし 現病歴 : 1か月前から上顎左側前歯部の腫脹を自覚していたが, 疼痛がないため様子を見ていたところ, 腫脹の増大傾向を感じたので, 本学附属病院を受診した. 口腔内所見 : 上顎左側犬歯部から上顎右側側切歯部にかけての唇側歯肉および歯槽粘膜は健康色を呈していたが, 同領域の歯根尖部は腫脹していた. 腫脹部では波動を触知し, 軽度の圧痛を認めた.
ISSN:0916-2313