ニボルマブ製剤における残液廃棄を考慮した注射バイアル規格と薬剤費の検討

「要旨和訳」注射抗がん薬の調製に伴い余剰の残液が発生した場合には, 高額な抗がん薬であっても廃棄される. 今回, 大阪赤十字病院においてニボルマブで治療した非小細胞肺がん患者の投与量データを利用して, 種々の架空の規格の組合せから残液廃棄が最小となる規格を探索した. 20mgから100mgまでの10mg刻みの9種類の2規格で36通りと小規格 (10mg) の追加の3規格を想定した. 延べ231件の残液の平均廃棄率は3.65%, 総廃棄量の廃棄額はデータが得られた1年間で約620万円であった. 先発規格 (20mg, 100mg) から2規格 (40mg, 50mg) あるいは小規格追加の3規格...

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Veröffentlicht in:日本臨床腫瘍薬学会雑誌 2018, Vol.7, p.1-7
Hauptverfasser: 中村暢彦, 吉良俊彦, 上田佳澄, 谷本祐子, 谷大輔, 辻井佳代, 小林政彦, 楠本正明, 矢野義孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨和訳」注射抗がん薬の調製に伴い余剰の残液が発生した場合には, 高額な抗がん薬であっても廃棄される. 今回, 大阪赤十字病院においてニボルマブで治療した非小細胞肺がん患者の投与量データを利用して, 種々の架空の規格の組合せから残液廃棄が最小となる規格を探索した. 20mgから100mgまでの10mg刻みの9種類の2規格で36通りと小規格 (10mg) の追加の3規格を想定した. 延べ231件の残液の平均廃棄率は3.65%, 総廃棄量の廃棄額はデータが得られた1年間で約620万円であった. 先発規格 (20mg, 100mg) から2規格 (40mg, 50mg) あるいは小規格追加の3規格 (10mg, 20mg, 100mg) へ変更することで使用本数を増加させることなく, 平均廃棄率は1.88%まで抑えられ廃棄額は約310万円と試算された. 本検討により, 高額なニボルマブ製剤の残液廃棄を減らすためには規格の検討が重要であることが示唆された.
ISSN:2189-129X