両眼視差が自己運動知覚に与える影響: sLORETAによる視覚誘発電位の信号源推定
本研究では, オプティックフロー (OF) と視差勾配を伴うランダムドットステレオグラム (RG-RDS) を組み合わせた視覚刺激に対するVEPの信号源を解析し, 自己運動知覚への両眼視差の影響を検討した。対象は若年健常成人14名である。視覚刺激はOF, RG-RDS, OFとRG-RDSを同時に呈示したRG-RDS&OFの3種類で, 頭皮上61部位からVEPを記録した。RG-RDS&OFに含まれるOFの要素を抽出するために, RG-RDS&OFとRG-RDSの差分波形を作成した。各刺激に対するVEPと差分波形の信号源はsLORETA により推定した。RG-RDS&am...
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Veröffentlicht in: | 臨床神経生理学 2024/08/01, Vol.52(4), pp.243-253 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では, オプティックフロー (OF) と視差勾配を伴うランダムドットステレオグラム (RG-RDS) を組み合わせた視覚刺激に対するVEPの信号源を解析し, 自己運動知覚への両眼視差の影響を検討した。対象は若年健常成人14名である。視覚刺激はOF, RG-RDS, OFとRG-RDSを同時に呈示したRG-RDS&OFの3種類で, 頭皮上61部位からVEPを記録した。RG-RDS&OFに含まれるOFの要素を抽出するために, RG-RDS&OFとRG-RDSの差分波形を作成した。各刺激に対するVEPと差分波形の信号源はsLORETA により推定した。RG-RDS&OFのN190潜時はRG-RDSよりも有意に遅くなった。このことからRG-RDS&OFでは両眼視差に関する活動が遅くなる可能性がある。また, OFと差分波形の刺激後200 ms付近では,楔部と楔前部が活動した。さらに, 差分波形では, 上前頭回と中心前回,中心後回にも活動が見られた。活動の見られた領域は, 自己運動知覚に関連する部位であり, 先行研究を支持していた。そして, RG-RDS&OFではOFよりも情報処理が活発になる可能性がある。 |
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ISSN: | 1345-7101 2188-031X |
DOI: | 10.11422/jscn.52.243 |