神経救急疾患における臨床神経生理

神経救急疾患では後遺症を最小限にするため, 病態を迅速に明らかにして適切な治療を早急に開始する必要があるが, 臨床神経生理検査はその病態を明らかにする鍵となりうる。したがって, これらの検査は緊急で迅速に実施できることが重要である。本稿では脳卒中を除く主な神経救急疾患を末梢性の救急病態 (四肢筋力低下, 呼吸筋麻痺, 嚥下障害) と中枢性の救急病態 (意識障害) に分けて臨床神経生理検査の有用性とピットフォールについて概説する。具体的には, 前者に関しては, ギラン・バレー症候群急性期における神経伝導検査と重症筋無力症クリーゼにおける反復刺激試験の異常検出感度について, また血管炎性ニューロパ...

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Veröffentlicht in:臨床神経生理学 2022/06/01, Vol.50(3), pp.89-93
1. Verfasser: 吉村, 元
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:神経救急疾患では後遺症を最小限にするため, 病態を迅速に明らかにして適切な治療を早急に開始する必要があるが, 臨床神経生理検査はその病態を明らかにする鍵となりうる。したがって, これらの検査は緊急で迅速に実施できることが重要である。本稿では脳卒中を除く主な神経救急疾患を末梢性の救急病態 (四肢筋力低下, 呼吸筋麻痺, 嚥下障害) と中枢性の救急病態 (意識障害) に分けて臨床神経生理検査の有用性とピットフォールについて概説する。具体的には, 前者に関しては, ギラン・バレー症候群急性期における神経伝導検査と重症筋無力症クリーゼにおける反復刺激試験の異常検出感度について, また血管炎性ニューロパチー急性期に認めるpseudo-conduction blockについて述べる。後者に関しては, 非けいれん性てんかん発作/非けいれん性てんかん重積状態の診断における持続脳波モニタリングの有用性と実施方法について解説する。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.50.89