DBSの適応拡大: 特にてんかんと精神科疾患について

脳深部刺激療法は, 1960年代に難治性疼痛への治療法として登場し, 1987年から不随意運動疾患に対しても適応された。脳内のループ回路障害の治療法として脚光を浴び, 世界的に神経難病の中でループ回路障害の探索がなされ, 回路障害が推定されたものに対してDBSの試行が行われた。その中に, てんかんに対するDBSと精神科疾患に対するDBSが存在した。てんかんに対するDBS では, 薬剤難治性の部分発作に対して, closed loop DBSを使用するシステムと視床前核へのDBSがFDAで認可された。精神科疾患に対するDBSで, うつ病に対するものは, 長期的オープン試験での症状改善が報告され,...

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Veröffentlicht in:臨床神経生理学 2022/02/01, Vol.50(1), pp.33-37
1. Verfasser: 杉山, 憲嗣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脳深部刺激療法は, 1960年代に難治性疼痛への治療法として登場し, 1987年から不随意運動疾患に対しても適応された。脳内のループ回路障害の治療法として脚光を浴び, 世界的に神経難病の中でループ回路障害の探索がなされ, 回路障害が推定されたものに対してDBSの試行が行われた。その中に, てんかんに対するDBSと精神科疾患に対するDBSが存在した。てんかんに対するDBS では, 薬剤難治性の部分発作に対して, closed loop DBSを使用するシステムと視床前核へのDBSがFDAで認可された。精神科疾患に対するDBSで, うつ病に対するものは, 長期的オープン試験での症状改善が報告され, 今後, 長期に渡るランダム化比較試験が必要と思われる。また強迫性障害に対するDBSは, まだ「確立された治療」とは見なされなかったが, 本邦での施行に向け, 精神科医が関心を持ち, 脳外科医との間の議論が続くことを期待する。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.50.33