携帯端末上での情動ストレス刺激時の脈波振幅値解析による自律神経機能評価
携帯端末を用いた情動ストレス刺激時の指尖容積脈波を解析し, 自律神経機能を評価することを目的とした。被験者として健常成人24名を対象とした。視聴覚刺激として, 安静刺激, 快刺激, 不快刺激の3セッション, 文章刺激として, 快文章刺激, 不快文章刺激の2 セッションの計5セッションを実施した。各セッションでは, 開眼状態で課題を40秒間行わせた後 (課題開眼), 閉眼状態で想起を180秒間行わせる (想起閉眼) という手続きを3回繰り返した。視聴覚刺激は, 携帯端末から画像と効果音を与えながら数字選択を行わせた。文章刺激は, 効果音を与えながらメール形式の文章黙読を行わせた。各セッション中に...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 臨床神経生理学 2012/12/01, Vol.40(6), pp.540-546 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 携帯端末を用いた情動ストレス刺激時の指尖容積脈波を解析し, 自律神経機能を評価することを目的とした。被験者として健常成人24名を対象とした。視聴覚刺激として, 安静刺激, 快刺激, 不快刺激の3セッション, 文章刺激として, 快文章刺激, 不快文章刺激の2 セッションの計5セッションを実施した。各セッションでは, 開眼状態で課題を40秒間行わせた後 (課題開眼), 閉眼状態で想起を180秒間行わせる (想起閉眼) という手続きを3回繰り返した。視聴覚刺激は, 携帯端末から画像と効果音を与えながら数字選択を行わせた。文章刺激は, 効果音を与えながらメール形式の文章黙読を行わせた。各セッション中に, 継続的に指尖容積脈波の測定を行った。セッション間, 課題開眼・想起閉眼間の脈波振幅値を比較した。その結果, 課題開眼時, 想起閉眼時に, 快刺激の振幅値は安静刺激と比較して, 不快刺激の振幅値は安静, 快刺激と比較して, 有意に低値を示した。安静, 不快刺激時に, 想起閉眼時の振幅値は課題開眼時と比較して, 有意に高値を示した。快文章刺激, 不快文章刺激時に, 想起閉眼時の振幅値は課題開眼時と比較して, 有意に低値を示した。以上のことより, 携帯端末に特有のメール形式の文章刺激による情動ストレスは, 視聴覚刺激とは異なる自律神経反応を引き起こすことが示唆された。 |
---|---|
ISSN: | 1345-7101 2188-031X |
DOI: | 10.11422/jscn.40.540 |