尿素サイクル異常症に伴う急性高アンモニア血症に持続的腎代替療法を施行した一例

要旨: 新生児における先天性代謝異常に伴う高アンモニア血症は, 非特異的な神経学的異常を発生するため, 速やかに血中アンモニアを除去する必要があり, 体外循環による血液浄化療法が適応となる. そこで急性高アンモニア血症に対し持続的腎代替療法の工夫や治療条件を調整した一例を報告する. 症例はOTC欠損症の男児, 生後2日目(第0病日)よりアンモニアの目標値150μg/dL以下, 浸透圧は随時CT測定し脳浮腫がないことを確認しながら持続的腎代替療法を開始した. 治療開始前血清アンモニア値3,426μg/dL, 開始後3,411μg/dLと改善が軽微であったため, 透析液流量を300mL/hrまで徐...

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Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2022-12, Vol.13 (2), p.111-113
Hauptverfasser: 小沢俊貴, 佐々木裕介, 葉優寿, 池田敬太, 伊佐祐也, 金山由紀, 森田高志, 廣瀬賢人, 清水泰輔, 小川智也, 長谷川元
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨: 新生児における先天性代謝異常に伴う高アンモニア血症は, 非特異的な神経学的異常を発生するため, 速やかに血中アンモニアを除去する必要があり, 体外循環による血液浄化療法が適応となる. そこで急性高アンモニア血症に対し持続的腎代替療法の工夫や治療条件を調整した一例を報告する. 症例はOTC欠損症の男児, 生後2日目(第0病日)よりアンモニアの目標値150μg/dL以下, 浸透圧は随時CT測定し脳浮腫がないことを確認しながら持続的腎代替療法を開始した. 治療開始前血清アンモニア値3,426μg/dL, 開始後3,411μg/dLと改善が軽微であったため, 透析液流量を300mL/hrまで徐々に上げていった. 透析効率の微調整や, 投薬による浸透圧調整を考慮したことで, 頭部CTに異常所見はみられず, 第5病日で持続的腎代替療法は離脱となり, 第19病日に紹介元の病院に転院となった.
ISSN:2185-1085