新生児腎代替療法の特殊性と低容量回路

体外循環による腎代替療法(RRT)の機器整備については新生児でも普及が進んでいるが,成人を対象とした汎用RRT機器を新生児に適用するため様々な問題を抱える。新生児RRTでは,バスキュラーアクセスの確保が難しく,容易に血液流量(QB)を増加することができない。しかし,急速な溶質除去を望む場合,内頸静脈へ太いカテーテルを挿入し十分なQBを確保し,血液透析か血液濾過透析を選択する。一方,安全面を考慮する場合,回路寿命が長い持続血液透析が望ましい。また,循環血液量に対しRRT回路の体外循環容量が過大で血液充填(blood priming)が必須だが,使用する濃厚赤血球の性状是正が必要で,輸血関連合併症...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2020/06/01, Vol.11(1), pp.41-48
Hauptverfasser: 石川, 健, 西見, 早映子, 松本, 敦, 小山, 耕太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:体外循環による腎代替療法(RRT)の機器整備については新生児でも普及が進んでいるが,成人を対象とした汎用RRT機器を新生児に適用するため様々な問題を抱える。新生児RRTでは,バスキュラーアクセスの確保が難しく,容易に血液流量(QB)を増加することができない。しかし,急速な溶質除去を望む場合,内頸静脈へ太いカテーテルを挿入し十分なQBを確保し,血液透析か血液濾過透析を選択する。一方,安全面を考慮する場合,回路寿命が長い持続血液透析が望ましい。また,循環血液量に対しRRT回路の体外循環容量が過大で血液充填(blood priming)が必須だが,使用する濃厚赤血球の性状是正が必要で,輸血関連合併症の懸念もある。欧州では新生児RRT装置が開発・臨床応用され予後の改善が期待されている。本邦では超低容量の新生児用RRT機器は開発されているが,未だ,実用化には至っておらず,今後の発展が望まれる。
ISSN:2185-1085
2434-219X
DOI:10.34325/jsbpcc.11.1_41