血清Na 100mEq/Lを呈した無尿急性腎傷害に対しNa濃度調節した持続的腎機能代替療法を行った1例
47歳女性。他院で神経性食思不振症と診断されていた。入院7日前から食事摂取量が低下し意識障害で当院へ救急搬送された。来院時ショック状態であり心電図上は心室調律であった。検査所見は,Na 95mEq/L,K 7.7mEq/L,BUN 185mg/dL,Cr 10.7mg/dL。高度の脱水・急性腎障害の診断にて,補液・昇圧剤開始後も無尿は遷延し,第2病日より透析療法を行った。透析開始時の血清Na値は100mEq/Lであり,急速なNa補正に伴う浸透圧性脱髄症候群の発症予防のために,持続的血液濾過(continuous hemofiltration:CHF)モード,Qb 100mL/分, Qf 500...
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Veröffentlicht in: | 日本急性血液浄化学会雑誌 2016/06/01, Vol.7(1), pp.76-79 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 47歳女性。他院で神経性食思不振症と診断されていた。入院7日前から食事摂取量が低下し意識障害で当院へ救急搬送された。来院時ショック状態であり心電図上は心室調律であった。検査所見は,Na 95mEq/L,K 7.7mEq/L,BUN 185mg/dL,Cr 10.7mg/dL。高度の脱水・急性腎障害の診断にて,補液・昇圧剤開始後も無尿は遷延し,第2病日より透析療法を行った。透析開始時の血清Na値は100mEq/Lであり,急速なNa補正に伴う浸透圧性脱髄症候群の発症予防のために,持続的血液濾過(continuous hemofiltration:CHF)モード,Qb 100mL/分, Qf 500mL/時,返血側のチャンバーから5%ブドウ糖液を200mL/時で補充する後希釈を行い,同量分を除水することで返血側の血清Naが100mEq/Lとなるように濃度調整を行った。第3病日には透析を離脱し第22病日に転院。高度低Na血症に対し安全に透析を行えた貴重な1例であり報告する。 |
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ISSN: | 2185-1085 2434-219X |
DOI: | 10.34325/jsbpcc.7.1_76 |