劇症型A群溶血性連鎖球菌感染症による原発性腹膜炎に対してAN69ST膜を用いたCRRTとPMX-DHPが有効であった1症例

【背景】劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)は,急速にショック・多臓器不全を呈する致死率の高い感染症であるが,その病態はStreptococcal pyrogenic exotoxin による高サイトカイン血症である。【症例】71歳,男性。発熱,上腹部痛を認め,急性汎発性腹膜炎疑いで緊急開腹手術を行った。上腹部を中心に膿性腹水を認めたが消化管穿孔はなく,洗浄ドレナージ術を行った。術後,敗血症性ショックに対してPMX-DHPとCRRT(AN69ST膜)を直列回路で施行すると,循環動態は速やかに改善した。血液と腹水培養からS...

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Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2016/06/01, Vol.7(1), pp.68-71
Hauptverfasser: 安達, 普至, 竪, 良太, 鶴, 昌太, 鮎川, 勝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【背景】劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)は,急速にショック・多臓器不全を呈する致死率の高い感染症であるが,その病態はStreptococcal pyrogenic exotoxin による高サイトカイン血症である。【症例】71歳,男性。発熱,上腹部痛を認め,急性汎発性腹膜炎疑いで緊急開腹手術を行った。上腹部を中心に膿性腹水を認めたが消化管穿孔はなく,洗浄ドレナージ術を行った。術後,敗血症性ショックに対してPMX-DHPとCRRT(AN69ST膜)を直列回路で施行すると,循環動態は速やかに改善した。血液と腹水培養からStreptococcus pyogenes(GAS)が検出され,GASよる原発性腹膜炎と診断した。【結論】STSSに対して,サイトカイン吸着能を有するAN69ST膜を使用したCRRTとPMX-DHPが有効であると考えられたが,今後さらなる研究が必要である。
ISSN:2185-1085
2434-219X
DOI:10.34325/jsbpcc.7.1_68