リチウム服用中患者の急性摂取によるリチウム中毒に対して透析療法が著効した1症例

40歳代女性。躁うつ病で心療内科かかりつけで,過去に複数回,薬物過量内服歴がある。2012年4月,突発的に炭酸リチウム4,400mg,ジアゼパム100mg,フルニトラゼパム25mgを内服し,当院救急外来へ搬送された。来院時,構音障害と傾眠傾向を認め,リチウム濃度2.89mEq/Lと中等度以上の濃度が検出されたため,血液透析を施行した。血液透析を開始し,程なく,意識レベルクリアとなり,会話も可能となった。透析後にはリチウム濃度1.0mEq/Lと低下していた。細胞内から血中への移行も考慮し,翌日も4時間血液透析を行い,リチウム濃度0.36mEq/Lと著明に低下した。過量内服によるリチウム中毒に際し...

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Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2014/06/01, Vol.5(1), pp.78-80
Hauptverfasser: 神山, 理明, 島, 久登, 岡, 雅俊, 秋山, 健一, 下村, 浩祐, 渡邉, 喜彦, 小原, まみ子, 望月, 隆弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:40歳代女性。躁うつ病で心療内科かかりつけで,過去に複数回,薬物過量内服歴がある。2012年4月,突発的に炭酸リチウム4,400mg,ジアゼパム100mg,フルニトラゼパム25mgを内服し,当院救急外来へ搬送された。来院時,構音障害と傾眠傾向を認め,リチウム濃度2.89mEq/Lと中等度以上の濃度が検出されたため,血液透析を施行した。血液透析を開始し,程なく,意識レベルクリアとなり,会話も可能となった。透析後にはリチウム濃度1.0mEq/Lと低下していた。細胞内から血中への移行も考慮し,翌日も4時間血液透析を行い,リチウム濃度0.36mEq/Lと著明に低下した。過量内服によるリチウム中毒に際し,血液透析を施行することにより,血中濃度上昇を抑えることができた。
ISSN:2185-1085
2434-219X
DOI:10.34325/jsbpcc.5.1_78