亜急性心筋梗塞と敗血症性ショックに合併したseptic myocardial depressionに対してPMX-DHPが有効であった1例

症例は74歳の男性。胸痛とその2日後の一過性意識消失を主訴に,当院へ搬送された。血圧は触診で50mmHg,脈拍は30~60回/分,体温は38.9度。心電図と心エコーで亜急性心筋梗塞と診断,IABPおよび経静脈的ペースメーカを挿入し,心臓カテーテル検査を行った。左前下行枝中間部の完全閉塞を認めprimary PCIを行い,血行再建は成功したが,低血圧とペーシング不全,房室解離が続いた。左前下行枝の病変のみで病状を説明することは困難で,敗血症を合併しcardiac depressionを呈していると考えられた。高サイトカイン血症に対してPMMA-CHDFを開始したが,ショックは改善しなかった。さら...

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Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2010/12/01, Vol.1(1), pp.161-166
Hauptverfasser: 成宮, 博理, 熱田, 晴彦, 高倉, 康人, 井上, 衛, 出口, 雅子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は74歳の男性。胸痛とその2日後の一過性意識消失を主訴に,当院へ搬送された。血圧は触診で50mmHg,脈拍は30~60回/分,体温は38.9度。心電図と心エコーで亜急性心筋梗塞と診断,IABPおよび経静脈的ペースメーカを挿入し,心臓カテーテル検査を行った。左前下行枝中間部の完全閉塞を認めprimary PCIを行い,血行再建は成功したが,低血圧とペーシング不全,房室解離が続いた。左前下行枝の病変のみで病状を説明することは困難で,敗血症を合併しcardiac depressionを呈していると考えられた。高サイトカイン血症に対してPMMA-CHDFを開始したが,ショックは改善しなかった。さらにPMX-DHPを併用したところ,直後から洞調律へ復帰し,血行動態は劇的に改善した。後日,血液培養からグラム陽性球菌が検出された。Cardiac depressionを呈した敗血症に対するPMX-DHPの効果は限定的と考えられているが,高度徐脈,ペーシング不全,IABP不反応のseptic cardiac depressionに対してPMX-DHPが血行動態の改善に有効であった1例を経験したので報告する。
ISSN:2185-1085
2434-219X
DOI:10.34325/jsbpcc.1.1_161