重症度評価とレーダーチャートを用いた急性腎障害に対する持続的血液浄化療法離脱条件の検討

集中治療領域で取り扱う急性腎障害の多くは多臓器不全によるものが多く含まれるため,臓器障害の程度を継続的に追跡し病態の進展を予防,阻止することが重要である。そこで,急性腎障害を呈し持続的血液浄化療法(CBP)を施行した202症例を対象に,重症度評価としてSOFAスコアの呼吸,凝固,肝臓,循環に対応する項目,Cr上昇率,尿量およびCRPをスコア化したレーダーチャートを用い,急性腎障害に対するCBPの離脱条件の検討を行った。その結果,CBP終了後から間歇的血液浄化療法(IHD)へ移行することなく,生存した74症例はCBP開始時から終了時において尿量,循環,Cr上昇率,呼吸スコアで有意な改善を認めた。...

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Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2010/12/01, Vol.1(1), pp.107-115
Hauptverfasser: 土屋, 陽平, 塚本, 功, 村杉, 浩, 高根, 裕史, 鈴木, 洋通
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:集中治療領域で取り扱う急性腎障害の多くは多臓器不全によるものが多く含まれるため,臓器障害の程度を継続的に追跡し病態の進展を予防,阻止することが重要である。そこで,急性腎障害を呈し持続的血液浄化療法(CBP)を施行した202症例を対象に,重症度評価としてSOFAスコアの呼吸,凝固,肝臓,循環に対応する項目,Cr上昇率,尿量およびCRPをスコア化したレーダーチャートを用い,急性腎障害に対するCBPの離脱条件の検討を行った。その結果,CBP終了後から間歇的血液浄化療法(IHD)へ移行することなく,生存した74症例はCBP開始時から終了時において尿量,循環,Cr上昇率,呼吸スコアで有意な改善を認めた。しかしCBP終了後,観察期間中に死亡した12症例は尿量,Cr上昇率の改善は認めたが,循環,呼吸スコアの改善は認めなかった。これらの結果は,尿量1000mL/day以上,Cr上昇率2倍未満,renal dose程度のDOA≦5γor DOB投与(投与量問わず),P/F≧200(人工呼吸サポート)が持続的血液浄化療法の離脱条件であることが示唆された。
ISSN:2185-1085
2434-219X
DOI:10.34325/jsbpcc.1.1_107