静岡県西部地域の製造業従事者における経済的理由による欠食と社会経済的状態,栄養素等摂取量及び健康状態との関連: The Eating Habit and Well-Being Study

目的 フードインセキュリティは十分な量の安全で栄養価の高い食料に,物理的,社会的,経済的に適切なアクセスができない状態である。本研究は一般勤労者における経済的理由による欠食経験と社会経済的状態,栄養素等摂取量及び健康状態との関連を明らかにすることを目的とした。方法 2013年度に静岡県西部地域に所在する製造業従事者を対象として実施したThe Eating Habit and Well-being Studyのデータを用いて横断的に検討した。経済的理由による欠食は「あなたはこの1年間に,お金の節約のために食事を抜く(食べない)ことがありましたか?」と尋ねた。社会経済的状態,健康状態は自記式の質問...

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Veröffentlicht in:東海公衆衛生雑誌 2024/03/21, Vol.11(2), pp.145-151
Hauptverfasser: 中村, 美詠子, 長幡, 友実, 三浦, 綾子, 上田, 規江, 岡田, 栄作, 柴田, 陽介, 尾島, 俊之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的 フードインセキュリティは十分な量の安全で栄養価の高い食料に,物理的,社会的,経済的に適切なアクセスができない状態である。本研究は一般勤労者における経済的理由による欠食経験と社会経済的状態,栄養素等摂取量及び健康状態との関連を明らかにすることを目的とした。方法 2013年度に静岡県西部地域に所在する製造業従事者を対象として実施したThe Eating Habit and Well-being Studyのデータを用いて横断的に検討した。経済的理由による欠食は「あなたはこの1年間に,お金の節約のために食事を抜く(食べない)ことがありましたか?」と尋ねた。社会経済的状態,健康状態は自記式の質問票で,栄養素等摂取量は食物摂取頻度調査票で把握した。経済的理由による欠食経験と社会経済的状態,栄養素等摂取量,健康状態の関連をカイ2乗検定,一元配置分散分析,共分散分析(性,年齢調整)を用いて検討した。結果 分析対象2,154人のうち,過去1年間に経済的理由による欠食を経験した者の割合は,よくあった者が1.3%,時々あった者が3.0%,まれにあった者が8.7%(経験者合計13.0%)であった。経済的理由による欠食経験者は非経験者に比べ,年齢の平均値が低く,男性の割合が高く,食費や世帯収入が少なく,家や自家用車を所有する者が少なく,ビタミン,ミネラル等の摂取量が低かった。また経済的理由による欠食経験者は非経験者に比べ,抑うつ・うつ病の現病・既往歴あり,気分安定薬服用者の割合が高かった。結論 経済的理由による欠食は一般勤労者においても存在し,メンタルヘルス不調と関連していた。しかし,因果の方向性は不明である。
ISSN:2187-736X
2434-0421
DOI:10.24802/tpha.2023-12