某労働基準監督署管内事業場における治療と職業生活の両立支援のための職場環境・労務管理制度

目的 「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン(両立支援ガイドライン)」の認知,両立支援のための職場環境・労務管理体制の整備の実態,それらと事業場規模,事業場内産業保健スタッフ,過去の私傷病退職者・がん罹患者の有無との関連の探索。方法 某労働基準監督署管内の1,002事業場を対象に自記式質問紙調査を実施した。両立支援ガイドラインの認知割合,両立支援のための職場環境として啓発研修,相談・申出窓口,事業場内外の関係者間の情報交換の枠組みの有無,および,私傷病時に利用可能な労務管理制度として時差出勤,所定労働時間の短縮,時間単位の休暇,試し出勤,傷病・病気休暇の有無を調べ,事業場...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東海公衆衛生雑誌 2017/07/15, Vol.5(1), pp.102-110
Hauptverfasser: 加藤, 善士, 太田, 充彦, 八谷, 寛
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:目的 「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン(両立支援ガイドライン)」の認知,両立支援のための職場環境・労務管理体制の整備の実態,それらと事業場規模,事業場内産業保健スタッフ,過去の私傷病退職者・がん罹患者の有無との関連の探索。方法 某労働基準監督署管内の1,002事業場を対象に自記式質問紙調査を実施した。両立支援ガイドラインの認知割合,両立支援のための職場環境として啓発研修,相談・申出窓口,事業場内外の関係者間の情報交換の枠組みの有無,および,私傷病時に利用可能な労務管理制度として時差出勤,所定労働時間の短縮,時間単位の休暇,試し出勤,傷病・病気休暇の有無を調べ,事業場の規模による違いをコクラン・アーミテージ検定にて検定した。それらと事業場内産業保健スタッフ,および過去3年間に私傷病で退職した従業員・がんに罹患した従業員の有無との関連を調べ,Fisher正確確率検定で検定した。結果 266事業場から回答があり,回答率は27%であった。両立支援ガイドライン認知の割合は19%で,その割合は事業場規模が大きいほど高かった。啓発研修は7%,相談・申出窓口は38%,情報交換の枠組みは33%の事業場で行われており,事業場規模が大きいほどこの割合が高かった。従業員数50人未満の小規模事業場においては,事業場内産業保健スタッフのいる事業場で啓発研修(20%),相談・申出窓口(52%),情報交換の枠組み(48%)の実施割合が産業保健スタッフのいない事業場よりも高かった。両立支援のための各種労務管理制度の導入割合は1~3割で,時間単位の休暇および傷病休暇・病気休暇は,事業場規模が大きいほど導入割合が高かった。過去3年間に私傷病で退職した従業員・がんに罹患した従業員の有無と両立支援のための職場環境・労務管理制度の有意な関連はなかった。ガイドラインを認知していた事業場では,従業員数50~299人の中規模事業場では所定労働時間の短縮がより多く実施されていた。結論 両立支援ガイドライン認知の割合は低く,さらなる周知が望ましい。両立支援のための職場環境・労務管理制度の導入割合は一部先行研究よりも高く,事業場規模,産業保健スタッフの有無による違いを認めた。
ISSN:2187-736X
2434-0421
DOI:10.24802/tpha.5.1_102