保険薬局調剤データベースを用いた多剤服用の実態調査─全年齢を対象とした処方数の性差とエストロゲンとの関係
「緒言」2019年の平均寿命は, 男性81.41歳, 女性87.45歳であり, 男女の平均寿命の差は現在6.04年である. この差の要因として, 事故, 自殺, 肝硬変, がんによる死亡率が女性よりも男性で高く, その差には, 疾患, ホルモン, 遺伝子, 社会学的性差, 生活習慣等が影響している. 疾患に着目すると, 疾患の発症頻度や発症年齢に違いがある. 米国のフラミンガムスタディ(The Framingham study)は疾患の発症を性差で比較している. 26年間の追跡調査で, 男性は年齢とともに心血管系イベントの発症が増加するのに対し, 女性では閉経後, その頻度が増し, 高齢期には...
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Veröffentlicht in: | 日本老年薬学会雑誌 2023/09/30, Vol.6(3), pp.41-51 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」2019年の平均寿命は, 男性81.41歳, 女性87.45歳であり, 男女の平均寿命の差は現在6.04年である. この差の要因として, 事故, 自殺, 肝硬変, がんによる死亡率が女性よりも男性で高く, その差には, 疾患, ホルモン, 遺伝子, 社会学的性差, 生活習慣等が影響している. 疾患に着目すると, 疾患の発症頻度や発症年齢に違いがある. 米国のフラミンガムスタディ(The Framingham study)は疾患の発症を性差で比較している. 26年間の追跡調査で, 男性は年齢とともに心血管系イベントの発症が増加するのに対し, 女性では閉経後, その頻度が増し, 高齢期には男性との差が縮小している. 本邦における急性心筋梗塞の発症を前向きに調査した報告では, 男性の発症年齢は平均62歳に対し, 女性は72歳で10年の差があった. また, 女性が多い疾患として片頭痛の有病率は, 男性の3.6%に対し女性は13%であり男性の3.6倍であった. |
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ISSN: | 2433-4065 2433-4065 |
DOI: | 10.34316/jsgp.6.3_41 |