抗血小板薬内服中の大腿骨頚部骨折患者に対する人工骨頭挿入術の検討
「はじめに」高齢者の大腿骨近位部骨折(以下HF)に対する待機的手術は, 術後の生存率を悪化させるため, 受傷後早期の手術が推奨されている. しかし, 治療対象の高齢者が抗血小板薬(以下APD)や抗凝固薬(以下ACD)を内服している場合が少なくない. 術前休薬期間を設ければ早期手術・早期離床の妨げになり, 休薬せずに手術を行った場合には, 腰椎麻酔に関連する合併症や出血量の増加などが危惧される. したがって, 高齢化の進行に伴うAPD/ACD内服患者数の増加に対応するため, APD/ACD内服患者に対する早期手術の安全性の確認が必要である. そこで, APDの術前休薬期間に着目して, HF患者に...
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Veröffentlicht in: | 日本関節病学会誌 2016, Vol.35(2), pp.103-107 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」高齢者の大腿骨近位部骨折(以下HF)に対する待機的手術は, 術後の生存率を悪化させるため, 受傷後早期の手術が推奨されている. しかし, 治療対象の高齢者が抗血小板薬(以下APD)や抗凝固薬(以下ACD)を内服している場合が少なくない. 術前休薬期間を設ければ早期手術・早期離床の妨げになり, 休薬せずに手術を行った場合には, 腰椎麻酔に関連する合併症や出血量の増加などが危惧される. したがって, 高齢化の進行に伴うAPD/ACD内服患者数の増加に対応するため, APD/ACD内服患者に対する早期手術の安全性の確認が必要である. そこで, APDの術前休薬期間に着目して, HF患者に対する早期の人工骨頭挿入術(以下FHR)の安全性を検討した. 「対象と方法」2013年から2015年までに当科でHFに対してFHRを施行した患者132例のうち, APD/ACDを内服していたのは57例で, 拮抗可能なワルファリンと推奨されている術前休薬期間が短いAPDは除外し, 術前休薬期間が5日以上のアスピリン, チクロピジン, クロピドグレルを内服していた31例(男性11例, 女性20例, 手術時平均年齢81.1±8.1歳)を対象とした. |
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ISSN: | 1883-2873 1884-9067 |
DOI: | 10.11551/jsjd.35.103 |