変形性膝関節症に対するヒアルロン酸ナトリウム架橋体製剤 (サイビスクディスポ) の複数回クールの有効性と安全性

「はじめに」 変形性膝関節症(以下OA膝)に対するヒアルロン酸(以下HA)製剤の関節内注入療法は広く施行されており, 疼痛を緩和する効果がある. 本邦では, 1987年に平均分子量90万の製剤(商品名:アルツ(R), 以下アルツと記載, 科研製薬), 2000年には平均分子量190万の製剤(商品名:スベニール(R), 中外製薬)が発売された. そして2010年に平均分子量600万以上であるHA架橋体製剤(商品名:サイビスクディスポ(R), 以下サイビスクと記載, 帝人ファーマ)が使用可能となった. HA架橋体製剤は, 鶏冠由来のHAに架橋構造を導入することにより分子量を大きくし, 健常若年男性...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本関節病学会誌 2015, Vol.34 (1), p.19-25
Hauptverfasser: 川崎俊樹, 石井和典, 野尻綾乃, 藏本哲也, 古川満, 千葉和宏, 鎌田修博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 変形性膝関節症(以下OA膝)に対するヒアルロン酸(以下HA)製剤の関節内注入療法は広く施行されており, 疼痛を緩和する効果がある. 本邦では, 1987年に平均分子量90万の製剤(商品名:アルツ(R), 以下アルツと記載, 科研製薬), 2000年には平均分子量190万の製剤(商品名:スベニール(R), 中外製薬)が発売された. そして2010年に平均分子量600万以上であるHA架橋体製剤(商品名:サイビスクディスポ(R), 以下サイビスクと記載, 帝人ファーマ)が使用可能となった. HA架橋体製剤は, 鶏冠由来のHAに架橋構造を導入することにより分子量を大きくし, 健常若年男性の関節液と類似した粘弾性を有することを特徴としている. 一部の臨床試験では分子量の低いHA製剤と比較し, 疼痛緩和効果が大きく, 長期間持続すると報告されている. 従来のHA製剤は1週間ごとに連続5回, サイビスクは1週間ごとに連続3回膝関節内に注入するのが基本的な用法である.
ISSN:1883-2873