生物学的製剤使用下における関節リウマチ滑膜組織の組織学的・生物学的特徴
「はじめに」生物学的製剤によって関節リウマチの治療体系は大きく変化し, 早期より疾患活動性や関節破壊を高度に抑制することが可能となっている. 炎症性サイトカインであるtumor necrosis factor (TNF)-α, IL-1, IL-6 receptor, B細胞表面分子であるCD28, T細胞の活性化を阻害するCD80/86など, さまざまな分子を標的とした治療薬について有効性や臨床応用に向けた研究が行われており, さらには臨床的寛解, 機能的寛解を目指した治療の確立がすすめられている. 生物学的製剤はこれら疾患形成の中心をなす分子に作用して滑膜退縮, 骨関節破壊の抑制に働くが,...
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Veröffentlicht in: | 日本関節病学会誌 2013, Vol.32 (2), p.121-128 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」生物学的製剤によって関節リウマチの治療体系は大きく変化し, 早期より疾患活動性や関節破壊を高度に抑制することが可能となっている. 炎症性サイトカインであるtumor necrosis factor (TNF)-α, IL-1, IL-6 receptor, B細胞表面分子であるCD28, T細胞の活性化を阻害するCD80/86など, さまざまな分子を標的とした治療薬について有効性や臨床応用に向けた研究が行われており, さらには臨床的寛解, 機能的寛解を目指した治療の確立がすすめられている. 生物学的製剤はこれら疾患形成の中心をなす分子に作用して滑膜退縮, 骨関節破壊の抑制に働くが, それでもなお15%程度の無効症例が存在し, 特に荷重関節を中心として関節炎, 関節破壊が進行する症例も存在する. 組織学的にみると, 関節リウマチ滑膜の特徴として表層滑膜細胞の増殖, リンパ球・形質細胞のびまん性浸潤, 新生血管形成, 滑膜組織のヘモジデローシス, フィブリン沈着を伴う肉芽組織の増生があげられる. |
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ISSN: | 1883-2873 |