食事指導シリーズ (第2回) VI. 腎不全における食事指導
「食事指導の意義」急性腎不全においては, 腎機能の急激な低下・廃絶により現れる様々な症状を軽減するために, 水分や食事の制限を行う. 透析治療を行っていない慢性腎臓病(CKD)患者(病期III~V期)では, さらなる腎機能の低下を防ぐために, 特にたんぱく質を制限する. たんぱく質を過剰に摂取すると糸球体濾過量(GFR)が上昇し, ネフロン数が減少しているCKDでは, 各糸球体あたり相対的な過剰濾過(hyperfiltration)が起こる. そのため, 残存ネフロンの硬化を速めることにつながるため, たんぱく質の制限を行う. 透析療法を必要とする慢性腎不全では, 透析導入前の食事とは異なる....
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 順天堂医学 2012-02, Vol.58 (1), p.80-84 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「食事指導の意義」急性腎不全においては, 腎機能の急激な低下・廃絶により現れる様々な症状を軽減するために, 水分や食事の制限を行う. 透析治療を行っていない慢性腎臓病(CKD)患者(病期III~V期)では, さらなる腎機能の低下を防ぐために, 特にたんぱく質を制限する. たんぱく質を過剰に摂取すると糸球体濾過量(GFR)が上昇し, ネフロン数が減少しているCKDでは, 各糸球体あたり相対的な過剰濾過(hyperfiltration)が起こる. そのため, 残存ネフロンの硬化を速めることにつながるため, たんぱく質の制限を行う. 透析療法を必要とする慢性腎不全では, 透析導入前の食事とは異なる. たんぱく制限は緩和され, 献立や調理の幅が広がるが, 快適な透析生活を送るためには, カリウム(K)と水分の制限はより厳格さが要求される. 「食事指導の実際」「1. 急性腎不全」「1)摂取エネルギー」エネルギーが不足すると体蛋白の異化が亢進するため, 十分なエネルギーを摂取する(標準体重1kgあたり1日35~40kcal). |
---|---|
ISSN: | 0022-6769 |