生物脱臭法の普及には大きな壁があった

下水処理場の臭気の処理には, 今や, 生物脱臭法を使うのが主流である. しかし, 高効率生物脱臭法の開発が盛んだった1990年前後には, 生物脱臭法の普及に大きな壁があった. 生物脱臭は, 微生物でにおいを消す技術である. しかし, 微生物には, 悪臭を作り出すという悪いイメージが強い. 食品を放置したら微生物が繁殖して(腐って)嫌なにおいが出てくることは誰しも経験する. 生物脱臭はその真逆である. 「微生物でにおいを消す」というわけだから, インチキくさいと受け取られるのも無理はない. しかも, 当時は微生物を売り込む怪しげな商売が横行していて, インチキと本物が混在していた. このため,...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:におい・かおり環境学会誌 2023/09/25, Vol.54(5), pp.281-281
1. Verfasser: 金川, 貴博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:下水処理場の臭気の処理には, 今や, 生物脱臭法を使うのが主流である. しかし, 高効率生物脱臭法の開発が盛んだった1990年前後には, 生物脱臭法の普及に大きな壁があった. 生物脱臭は, 微生物でにおいを消す技術である. しかし, 微生物には, 悪臭を作り出すという悪いイメージが強い. 食品を放置したら微生物が繁殖して(腐って)嫌なにおいが出てくることは誰しも経験する. 生物脱臭はその真逆である. 「微生物でにおいを消す」というわけだから, インチキくさいと受け取られるのも無理はない. しかも, 当時は微生物を売り込む怪しげな商売が横行していて, インチキと本物が混在していた. このため, 開発した高効率生物脱臭法が皆さんに今一つ信用されていないと感じたのである.
ISSN:1348-2904
1349-7847
DOI:10.2171/jao.54.281