嗅覚研究の臨床医学応用

近年,嗅覚の基礎研究がめざましい速さで進歩するのに合わせて,臨床医学分野でも嗅覚障害の診療と研究が盛んになった.臨床上,嗅覚障害は障害部位別に,呼吸性,嗅粘膜性,混合性,末梢神経性,中枢性に分類される.原因疾患は様々で,それに応じて治療法も異なる.現在,予後改善の目的で,嗅粘膜性,末梢神経性嗅覚障害を対象に,嗅神経再生を促進させる治療法の開発研究が行われている.また,これらの障害に随伴する異嗅症や,加齢に伴う嗅覚認知能力低下も,嗅覚の基礎的メカニズムの解明により,その発症の理論的説明が可能となった.さらに,ヒト嗅細胞を用いた基礎研究も始まっており,今後の臨床応用が期待される....

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Veröffentlicht in:におい・かおり環境学会誌 2010/03/25, Vol.41(2), pp.100-109
1. Verfasser: 小林, 正佳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,嗅覚の基礎研究がめざましい速さで進歩するのに合わせて,臨床医学分野でも嗅覚障害の診療と研究が盛んになった.臨床上,嗅覚障害は障害部位別に,呼吸性,嗅粘膜性,混合性,末梢神経性,中枢性に分類される.原因疾患は様々で,それに応じて治療法も異なる.現在,予後改善の目的で,嗅粘膜性,末梢神経性嗅覚障害を対象に,嗅神経再生を促進させる治療法の開発研究が行われている.また,これらの障害に随伴する異嗅症や,加齢に伴う嗅覚認知能力低下も,嗅覚の基礎的メカニズムの解明により,その発症の理論的説明が可能となった.さらに,ヒト嗅細胞を用いた基礎研究も始まっており,今後の臨床応用が期待される.
ISSN:1348-2904
1349-7847
DOI:10.2171/jao.41.100