肥満症治療の最前線

「抄録」肥満症とはBMI(Body Mass Index)≧25の肥満に健康障害が加わった状態である. 肥満症診断基準に必須の健康障害には11の病態がある. 肥満症治療の基本は食事療法, 運動療法, 行動療法であるが, 3~6ヶ月施行して効果が見られない場合は薬物療法が適応される. 現在, 本邦で肥満症が適応疾患である薬剤はマジンドールのみである. 2型糖尿病が合併している場合にはSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬に体重減少効果が期待できる. 内科的治療が6ヶ月以上行われてもBMI≧35でなおかつ糖尿病, 高血圧, 脂質異常症のどれか一つ以上を合併している場合には2014年4月より肥満手...

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Veröffentlicht in:名古屋市立病院紀要 2019-10, Vol.42, p.43-45
Hauptverfasser: 今枝憲郎, 渡邉久美子, 太田亜佐美, 友齊絵美, 伊藤峻介, 田中智洋, 瀧口修司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」肥満症とはBMI(Body Mass Index)≧25の肥満に健康障害が加わった状態である. 肥満症診断基準に必須の健康障害には11の病態がある. 肥満症治療の基本は食事療法, 運動療法, 行動療法であるが, 3~6ヶ月施行して効果が見られない場合は薬物療法が適応される. 現在, 本邦で肥満症が適応疾患である薬剤はマジンドールのみである. 2型糖尿病が合併している場合にはSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬に体重減少効果が期待できる. 内科的治療が6ヶ月以上行われてもBMI≧35でなおかつ糖尿病, 高血圧, 脂質異常症のどれか一つ以上を合併している場合には2014年4月より肥満手術が保険適応となった. 現段階では本邦ではスリーブ胃切除術のみが保険適応である. 名古屋市立大学病院では肥満症治療を専門的に取り組む肥満症治療センター(CORT:Center for Obesity Research and Therapeutics)が2019年7月に開設された. CORTでは食事・運動・行動療法から薬物治療, 肥満手術を症例に即してコーディネイトしている.
ISSN:0911-9809