横隔膜下に着床し診断に苦慮した原発性腹膜妊娠の1例
「概要」症例は40才女性, 5経妊3経産であった. 月経周期は35日型で整. 3週間ほど前から不正性器出血を認め, 2日前から右腹痛を伴ったため, 当院救急外来を受診した. 最終月経より妊娠5週4日, 尿中HCGは陽性であったが経膣超音波で異所性妊娠が疑われ, 同日緊急開腹手術の方針となった. 腹腔内の血腫を除去し子宮付属器を確認すると右付属器は正常であり, 左卵巣にわずかに腫大を認め, 卵巣妊娠の疑いで部分切除した. 翌日, 尿中HCGは低下したが, 腹部CTを再度読影したところ横隔膜下に小嚢胞を認めこれが胎嚢である可能性があった. 腹腔鏡下に再度病巣部の摘出術を施行した. 横隔膜下に胎嚢と...
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Veröffentlicht in: | 名古屋市立病院紀要 2017-09, Vol.40, p.29-33 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「概要」症例は40才女性, 5経妊3経産であった. 月経周期は35日型で整. 3週間ほど前から不正性器出血を認め, 2日前から右腹痛を伴ったため, 当院救急外来を受診した. 最終月経より妊娠5週4日, 尿中HCGは陽性であったが経膣超音波で異所性妊娠が疑われ, 同日緊急開腹手術の方針となった. 腹腔内の血腫を除去し子宮付属器を確認すると右付属器は正常であり, 左卵巣にわずかに腫大を認め, 卵巣妊娠の疑いで部分切除した. 翌日, 尿中HCGは低下したが, 腹部CTを再度読影したところ横隔膜下に小嚢胞を認めこれが胎嚢である可能性があった. 腹腔鏡下に再度病巣部の摘出術を施行した. 横隔膜下に胎嚢と血腫を認め, 組織を摘出, 出血部位は焼灼して止血した. 異所性妊娠の中でも腹膜妊娠は頻度が低く, 特に骨盤腔外は極めて稀である. 異所性妊娠で着床部位が不明である時は腹腔内を広範囲に検索する必要があり, CTやMRI等の画像検査を併用することが有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0911-9809 |