レム睡眠行動障害を伴う初期レビー小体型認知症患者の高次脳機能障害の経過報告 - 作業療法士による高次脳機能評価

「抄録」20年以上のレム睡眠行動障害の経過の後で発症したレビー小体型認知症の症例に3年の間隔で詳細な高次脳機能評価を行った. 症例は初診時60歳代後半の男性. 200X年12月慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)と重症喘息での呼吸器内科入院時にありありとした幻視・幻覚がみられたことを機に神経内科に受診した. 詳細な高次脳機能評価は200X+3年5月と200X年+6年8月に3年の間隔で評価した. 評価結果は緩やかに低下している機能もあるが, 維持・改善している機能もみられた. 症例は進行性の疾患にも関わらず, 中核症状, 周辺症状(以下BPSD)ともに著明な増悪はなかった. 大きな混乱もなく日常生活...

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Veröffentlicht in:名古屋市立病院紀要 2015-11, Vol.38, p.5-10
Hauptverfasser: 飯田尚子, 横山一樹, 北川裕美, 永井めぐみ, 小島洋, 山田健太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」20年以上のレム睡眠行動障害の経過の後で発症したレビー小体型認知症の症例に3年の間隔で詳細な高次脳機能評価を行った. 症例は初診時60歳代後半の男性. 200X年12月慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)と重症喘息での呼吸器内科入院時にありありとした幻視・幻覚がみられたことを機に神経内科に受診した. 詳細な高次脳機能評価は200X+3年5月と200X年+6年8月に3年の間隔で評価した. 評価結果は緩やかに低下している機能もあるが, 維持・改善している機能もみられた. 症例は進行性の疾患にも関わらず, 中核症状, 周辺症状(以下BPSD)ともに著明な増悪はなかった. 大きな混乱もなく日常生活動作は自立しており, 車の運転も可能であった. 高次脳機能は記憶, 見当識, 言語, 思考, 判断, 注意, 知覚, 計画, 計算など多岐にわたり, その障害は日常生活に多大な影響を与え, その対応には専門的な知識が求められる. 今回, 詳細な評価を実施することで, 作業療法士として高次脳機能の変化や進行を明らかにする役割を果たし, 高次脳機能障害の変化が日常生活にどう影響したかを検討した.
ISSN:0911-9809