実習指導者講習の継続・発展を目指すフォローアップ研修の効果
「背景」 研究者らは平成18年, A県実習指導者講習会のカリキュラムの構成やその統合的演習である実習指導案作成のねらいや方法, その効果を検証し今後の課題を探る目的で受講後の指導や意識に関する調査を実施した. その結果, 作成した指導案の有効活用に繋がる演習のあり方の検討と共に, 指導上の葛藤や困難感の克服を支援し, 能力の維持, 発展を図るための継続教育の必要性の示唆を得た. そこで今回, 講習効果の継続・発展をめざしたフォローアップ研修を計画, 試行した. 「目的」 実習指導者講習会後の効果的な実習指導の実施, 指導能力の向上など講習効果の継続・発展を目的としたフォローアップ研修の試行およ...
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Veröffentlicht in: | 人間看護学研究 2009-03 (7), p.63-72 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「背景」 研究者らは平成18年, A県実習指導者講習会のカリキュラムの構成やその統合的演習である実習指導案作成のねらいや方法, その効果を検証し今後の課題を探る目的で受講後の指導や意識に関する調査を実施した. その結果, 作成した指導案の有効活用に繋がる演習のあり方の検討と共に, 指導上の葛藤や困難感の克服を支援し, 能力の維持, 発展を図るための継続教育の必要性の示唆を得た. そこで今回, 講習効果の継続・発展をめざしたフォローアップ研修を計画, 試行した. 「目的」 実習指導者講習会後の効果的な実習指導の実施, 指導能力の向上など講習効果の継続・発展を目的としたフォローアップ研修の試行および効果を検証することである. 「方法」 研究デザイン:フォローアップ研修会の実施, 効果分析による量的記述研究 研究対象:A県実習指導者講習会修了者および関心のある看護職で研修に参加した158名. 研究時期:平成20年1月~3月 研究内容:研修プログラムは, 実習指導の方法論についての講演(3時間)および指導評価, 情報交換のための6テーマ別分科会(分科会2時間, 全体会議1時間)とした. 効果は研修前, 研修時の質問紙(5段階SD法, 一部記述式)の回答に対し, 講習会受講, 未受講者間比較検定(ノンパラメトリック検定), 受講者回答の相関分析, 満足度の要因探索(重回帰分析)により検証した. 「結果」 参加158名のうち, 講習会受講者98名, 未受講者48名. 女性135名, 男性13名, 平均年齢34.6(±6.0)歳. 質問紙有効回答数は「研修前」140名, 「研修終了時」148名であった. 最多の参加動機は, 受講者「自分自身の関心」(19%), 未受講者「上司の勧め」(40%)で自発的, 義務的な差が示された. 受講者の講習会後の意欲や関心は64%が継続, 19%は継続していなかった. 研修時の質問紙16項目の標準化α係数=0.874で内的一貫性は得られた. 講演に関する「内容の理解」と「関心の程度」, 分科会に関する「討議への参加度」, 「情報交換度」において受講者は未受講者に比較して有意に高い評価であった(p=.038, p=.039, p=.004, p=.033). 研修会全体の「満足度」については受講者84%, 未受講者88%で共に高い評価を示したが, 研修会の開催自体, 受講者は未受講者に比し有意に高い評価を示した(p=.042). 受講者の「満足度」に関連する因子は講演, 分科会共に, 「今後への活用」, 「テーマへの関心度」が67%, 62%寄与していた. 「結論」 参加動機の内発性, 外発性の相違, 講演に対する理解と関心の程度, 分科会における討議への参加, 情報交換度において受講者は未受講者に比べ有意に高い評価を示した. 受講者の研修全般への評価と満足度は高く, また, 講演や分科会での関心あるテーマの学習, 今後への活用感と関連していたことから, 再教育, 今後の指導へのフィードバックの機会としてのフォローアップ研修の効果が評価されたと考えられる. |
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ISSN: | 1349-2721 |